第204夜 過去を語るには早すぎる ページ8
過去を話すというのはその人を語ること。
どんな過去でも受け止めてくれる人って身近にいるものだろうか。
「あ!Aがきたのだ」
ユナンの後を追って入った先には、レーム帝国のファナリス兵団がいた。
入ってきた僕に声をかけてくれたのはミュロンで、僕たちは結構仲良しなのだ。
「久しぶりにこうして会えたのだ。旅の土産話が聞きたいのだ!」
もうそれはウキウキしながら僕を抱きしめる彼女。
僕は世界を旅をしてる。
シェヘラちゃんに会いにレームへ来た時に、ミュロン含む兵団の皆にも会ったりしてる。
「Aなのだ〜」
「うぐっ、苦しぃ…」
回された腕がちょうど首に。
そのままぎゅーっとされるため本気で死にかける僕。
頼むから、自分たちの力の強さを考えてくれ!
気絶するだけならまだしも、これ首の骨折れそう…!
そんな僕たちを見物しながら紅茶を淹れるユナン。
「見てないで、助けてよ…!」
「百戦錬磨の君なら大丈夫」
いやいや、これは本当に…。
ギシギシと首の骨が限界伝えてるから。
こんな状況をいち早く止めてくれたのは兵団団長のムーだった。
べりっと剥がされると同時に深く息を吸い込む。落ち着くよ、といいながらユナンに渡された紅茶を飲み心を休める。
「あ〜、死ぬかと思った」
ほっと一息つく僕のそばで。
「せっかくAを抱きしめられたのに何をするのだ!」
お兄さんに反発するミュロン。
そんな騒がしさに駆けつけたのはティトスくんとアラジンで。
「お姉さーん!」
くつろぐ僕にドスッと突進してくるアラジン。
おぉ…。
鳩尾にどストレートだ。
「お姉さんの側にいるとなんだか安心するね」
「ん?」
「僕、こっちにきて誰とも違うんだって1人なんだって思ってたから」
おいおい。
たとえ1人だとしても気にすることなんてない!
「アラジン」
ぽん、と肩に手を乗せ。
反対の手をぐっと握りこむ。
「僕たちはこの世界にとって希少なんだよ!?
すっごいレアなんだから!!いぇーい!!」
レアとか、響きが堪らないねぇ〜!
テンションがあがってる僕をユナンが無理矢理落ち着かせる。
「アラジン、何かあったら峡谷へおいで」
優しく言うユナンに彼から笑みが溢れる。
そしてその笑みにふと、思いだす。
ユナンは僕の過去を聞いてみようかなって言った。別に話しても今更どうしようもないけど。
バカだねって笑ってくれるかな。
例え笑ってくれなくても。
近いうちに君に話せたらいいな。
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ララ(プロフ) - 未だに更新し続けてくれてるのがとても嬉しいです。千年彗星さんの言葉の表現がたまらなく好きです。 (9月10日 2時) (
レス) @page40 id: 759c071471 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - きくさぶなそれさん» コメントありがとうございます！だいぶ前に更新し返信いただけるなんて思ってもみなかったです。執筆止まっていますが、時間あれば書いていこうと思ってます、今後もお願いします。 (2021年12月11日 18時) (レス) id: bc8271a1c1 (このIDを非表示/違反報告)
きくさぶなそれ(プロフ) - 次更新したのが何億年先でも、気合で読んで見せますから！！完結まで見届けてやりますよ！！！ (2021年12月11日 12時) (レス) id: 422828d005 (このIDを非表示/違反報告)
きくさぶなそれ(プロフ) - 一昨年位からはまり始めた作品で、今年も作品を更新してる。それだけでご飯が５０杯くらい食べれそうなくらいうれしいです！更新頑張ってください！！！と言いたいですが、でもやっぱり作者さんの気持ちが一番大事！体を休めて気が向いたらこちらにいらしてください！！ (2021年12月11日 12時) (レス) @page37 id: 422828d005 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます！楽しみだと言って貰えてとても嬉しいです、今後ともよろしくお願いします。 (2021年7月24日 14時) (レス) id: bc8271a1c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千年彗星 | 作成日時：2017年5月3日 0時
