第230夜 神の子 ページ34
3人の視線が僕に集まる。
僕が神様と巡り会って会話をする場面は、確か会談の映像でも映ってたはずだ。
僕がまだグヌードにいた頃、自ら命を絶とうとした時に会い。
魔導士狩りがおきて、その犯人に僕は階段へと突き落とされ、そこでも出会ったのだ、その神という存在に。
「ふむ…、自我がないのに会話とは…変わっているな」
原始竜が僕らを映したその瞳を閉じる。
『久しぶりだなA』
『昔、お前が自ら命を絶とうとした時に会ったではないか』
『さて、A。お前はまだ死んではない。死んでない者は本当は立ち入ってはダメなんだぞ、ここには』
『さぁ、帰りなさい』
今でもはっきりと覚えている、あの不思議な体験。
直接会話したというよりは、触手を通して言葉が脳内に入ってくる感じだった。
その触手は嫌な感じじゃなかったし、僕が生きれるように、魂を生の世界へと帰してくれた。
「あー、その事なら俺も薄っすら記憶にあるぜ?」
「色濃く記憶に残しておけや」
本当は語ったらダメな真実を語ったんやぞ!
こちとらソロモンとの最期に、約束だとまで言われてたことを破ったんやぞ。
まぁ、実際に破ったのは僕じゃなくて息子のアラジンだけど。
止めなかった僕にも非はある…かな。
「アルマトランの時代から、ダビデは神聖なものに手を出していた…。だが、元々は自我はないながらも、その支配を受けつつもなお、Aと会話をし、この子を生かしたいという思いがあったのかもしれん」
「つまりは?」
「Aを生かしたい、世界に留まらせてあげたいという強い本能から生まれた行動だったのかもしれないということだ」
ほへぇ〜…と3人で口をぽかんと開ける。
3人して最高に間抜けな絵面になってるなと頭の片隅で思った。
「人は皆、神の子だ」
セバスチャンはいまだ、瞳を閉じたまま語り出した。
「生きとし生けるもの全てが平等であり、愛おしい存在なのだ」
「「「…」」」
「ただ、Aやレイメスが。神にとって一等特別で愛おしい存在であったということだ」
え、僕とレイメスが特別…?
「レイメスさんって確か…、Aさんの魔法の師匠みたいな人でしたよね」
「俺も覚えてるぞ、こいつとそっくりな奴だろ?」
そして閉じていた瞳を開け、再び僕らを映すと言うのだ。
「だからダビデはこの子達を狙っているのだと踏んでいる。力が強くかつての友であるレイメスに似ており、女であり子を孕めるこの子をな」
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ララ(プロフ) - 未だに更新し続けてくれてるのがとても嬉しいです。千年彗星さんの言葉の表現がたまらなく好きです。 (9月10日 2時) (レス) @page40 id: 759c071471 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - きくさぶなそれさん» コメントありがとうございます!だいぶ前に更新し返信いただけるなんて思ってもみなかったです。執筆止まっていますが、時間あれば書いていこうと思ってます、今後もお願いします。 (2021年12月11日 18時) (レス) id: bc8271a1c1 (このIDを非表示/違反報告)
きくさぶなそれ(プロフ) - 次更新したのが何億年先でも、気合で読んで見せますから!!完結まで見届けてやりますよ!!! (2021年12月11日 12時) (レス) id: 422828d005 (このIDを非表示/違反報告)
きくさぶなそれ(プロフ) - 一昨年位からはまり始めた作品で、今年も作品を更新してる。それだけでご飯が50杯くらい食べれそうなくらいうれしいです!更新頑張ってください!!!と言いたいですが、でもやっぱり作者さんの気持ちが一番大事!体を休めて気が向いたらこちらにいらしてください!! (2021年12月11日 12時) (レス) @page37 id: 422828d005 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます!楽しみだと言って貰えてとても嬉しいです、今後ともよろしくお願いします。 (2021年7月24日 14時) (レス) id: bc8271a1c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千年彗星 | 作成日時:2017年5月3日 0時