第225夜 真っ暗な谷底へ ページ29
ジュダルが浮遊魔法を習得したから、旅は前進するはず…、なんて甘かった。
甘かったよ…みんな。
「俺の杖から降りろ、このハニワ!」
目的の人物に会うために杖に乗り飛ばしていた僕ら。
『Aさんの杖にまた乗るのは何か悪いです』
って言ってババくんはジュダルの方に乗車した。
この2人がセットになるのは如何なものか、大丈夫なのか?って思考は完全無視した。
でもねぇ、それがダメだったね…。
飛んでから早々に嫌悪な雰囲気になったし、言い合いに発展するし。
最初は隣を走行していた僕も、騒々しさに頭が痛くなって、今では彼らの少し下を飛んでいる。
「正確な場所じゃなく、ただ�狢舂Δ領�け目を目指せ�瓩箸世永垢い燭鵑澄�だから…」
なんかババくんが話してる。聞こえてはいるんだけどね、思考半停止状態の僕はもう聞き流すだけになってるよ、ごめんねババくん。
それに対してジュダルが質問をしたけど、ババくんが無言を貫いた。そしてそれが、彼らの騒動という火に油を注ぐこととなった。
「やっぱ別行動だ別行動! 俺の杖から降りろ!」
「何言ってんだよジュダル」
「�狢舂Δ離汽吋甅瓩皺燭發�も知るか! ハニワのミンチにしてやる!」
僕の頭上でゴチャゴチャと格闘を繰り広げる2人。
ここに来て数日経つし、体力も減るけど何より精神がゴリゴリ削られて行く。特にジュダル、君の我が儘っぷりが僕の精神力を削っているんだぞ!
なんだか疲れてしまったよ…。
こんなに騒々しい旅なんて随分長い間してなかったもん。ずっとユナンやシトラーやクロといった、比較的穏やかなメンバーだったもんなぁ。
ジュダルとババくんの喧騒を聞きながら、杖にぐでーっと寝そべる。
見えた真下には真っ暗な谷底が広がっていた。
あれ? ここはもしや…。
「ねぇ! ここって、目的地じゃ…」
お知らせしようと上を見上げたら、2人が降ってきた。
「「うわーーー!!」」
「ギャーー!!」
杖から落ちそうになるも、必死にしがみ付く。
そして、ジュダルが僕にしがみ付きババくんがジュダルにしがみ付くという何とも大変な事態に。
「おい貧乳王! 絶対に離すんじゃねーぞ!」
「Aさん頑張ってください」
「うぅ〜!」
2人の命がかかっている事もあって必死になるが、やはりキツイ。腕がぷるぷるとしてきて限界を伝えている。
そして、
「「「あっ」」」
限界を迎えた腕は杖から離れ。
「「「うわぁーー!!!」」」
僕たちは真っ暗な谷底へ落ちていった。
第226夜 再会を果たしたなら→←第224夜 君と僕らの浮遊魔法強化訓練
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ララ(プロフ) - 未だに更新し続けてくれてるのがとても嬉しいです。千年彗星さんの言葉の表現がたまらなく好きです。 (9月10日 2時) (
レス) @page40 id: 759c071471 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - きくさぶなそれさん» コメントありがとうございます！だいぶ前に更新し返信いただけるなんて思ってもみなかったです。執筆止まっていますが、時間あれば書いていこうと思ってます、今後もお願いします。 (2021年12月11日 18時) (レス) id: bc8271a1c1 (このIDを非表示/違反報告)
きくさぶなそれ(プロフ) - 次更新したのが何億年先でも、気合で読んで見せますから！！完結まで見届けてやりますよ！！！ (2021年12月11日 12時) (レス) id: 422828d005 (このIDを非表示/違反報告)
きくさぶなそれ(プロフ) - 一昨年位からはまり始めた作品で、今年も作品を更新してる。それだけでご飯が５０杯くらい食べれそうなくらいうれしいです！更新頑張ってください！！！と言いたいですが、でもやっぱり作者さんの気持ちが一番大事！体を休めて気が向いたらこちらにいらしてください！！ (2021年12月11日 12時) (レス) @page37 id: 422828d005 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます！楽しみだと言って貰えてとても嬉しいです、今後ともよろしくお願いします。 (2021年7月24日 14時) (レス) id: bc8271a1c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千年彗星 | 作成日時：2017年5月3日 0時
