第223夜 優しくされると泣いちゃうだろ! ページ27
あれからアリババくんが、僕とジュダルの仲裁に入って何とか事なきを得た。
アリババくんが、一旦心を落ち着けましょうと言って、先ほどの場所で3人で座りこんでいる。
「あんな冗談に本気になって突っかかってくるなんて笑えたぜ〜」
「だまれ」
「そうだぞジュダル。Aさんはお前の先輩なんだからそういう態度は良くないぞ」
よく言ったぞババくん!
そうだ、僕は人生の先輩でありマギの先輩でもあるんだからな。
「俺に敬えって言うのか?こんな死んだ魚の目をしたやつを?」
え、死んださかな…?
「確かにAさんはあまり胸がない」
「あ、え、いや。これサラシ巻いてるからね、実物はちゃんと…」
「そう貧乳族だ!」
「ねぇ聞いてる!?」
僕の言ったことを華麗にスルーし、アリババくんは勢いよく立ち上がった。
「確かにお前の言い分もわかる。Aさんは死んだ魚のような目をしている」
そしてぐっと握り拳を作り熱弁をしだした。
「けど! この人だって好きでこんな目をしてるんじゃないんだ。以前レームで戦ったときはそこそこ生きた魚の目をしていた!」
そ、そこそこ生きた…?
思わず耳を疑ってしまうアリババくんの数多の言動。
次にどんな言葉が出てくるのか怖くて、思わずアリババくんを凝視。
「大人気ないところもあるけど、Aさんの魔道士としての腕は見習うべきだろう!!」
お、大人気ない…ところ…?
いやいやいや!
確かにユナンが僕の分の果物を食べて喧嘩したことあるけど!
そのあと謝ってくれたユナンを、いい機会だと思って召使いみたいに扱ったこともあるけど!
思い当たることが次々に蘇ってきて、サーッと血の気が引いていく。
生まれて約1000年以上。
この歳にして初めて自分の愚かさを知った瞬間である…。
あれ…、なんだろう。
視界がぼやけてきたよ?
「お、おい。もうやめとけって…。貧乳王ちょっと涙目じゃねーか」
言っている本人は悪気など一切ないのだろう。
だが僕には刺さる刺さる言葉の刃。
あのジュダルが僕のことを気遣ってくれた。
「Aさん!?」
「へ? いや、これは別にあれだから…大丈夫だから…」
ゴシゴシと袖で目元を拭う。
「ご、ごめんなさい!」
「いや、まぁ気にしなくてもいいんじゃね?こいつの言うことはよ」
「やめろ、優しくするな!」
優しくされると余計に泣いちゃうだろうが!
そのあと、優しく接する彼らを前に。
こぼれ落ちそうになる涙を堪えるのに必死だった。
第224夜 君と僕らの浮遊魔法強化訓練→←第222夜 そんな関係ではない!
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ララ(プロフ) - 未だに更新し続けてくれてるのがとても嬉しいです。千年彗星さんの言葉の表現がたまらなく好きです。 (9月10日 2時) (
レス) @page40 id: 759c071471 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - きくさぶなそれさん» コメントありがとうございます！だいぶ前に更新し返信いただけるなんて思ってもみなかったです。執筆止まっていますが、時間あれば書いていこうと思ってます、今後もお願いします。 (2021年12月11日 18時) (レス) id: bc8271a1c1 (このIDを非表示/違反報告)
きくさぶなそれ(プロフ) - 次更新したのが何億年先でも、気合で読んで見せますから！！完結まで見届けてやりますよ！！！ (2021年12月11日 12時) (レス) id: 422828d005 (このIDを非表示/違反報告)
きくさぶなそれ(プロフ) - 一昨年位からはまり始めた作品で、今年も作品を更新してる。それだけでご飯が５０杯くらい食べれそうなくらいうれしいです！更新頑張ってください！！！と言いたいですが、でもやっぱり作者さんの気持ちが一番大事！体を休めて気が向いたらこちらにいらしてください！！ (2021年12月11日 12時) (レス) @page37 id: 422828d005 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます！楽しみだと言って貰えてとても嬉しいです、今後ともよろしくお願いします。 (2021年7月24日 14時) (レス) id: bc8271a1c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千年彗星 | 作成日時：2017年5月3日 0時
