第151夜 一人前になった君 ページ4
僕の名前を叫ぶと同時に、肩を掴まれ前後に揺すられる。
「死んだんじゃなかったのか? 7人で挑んで亡骸も残らないほどになったって…」
「うんうん、はい。それを話すととても長くなるんですな〜」
ガックンガックンと頭が揺れる。脳も揺れる。
あ、世界も揺れて見えるよ…。
「お前が居なかった7年の間、ライが基地の担当者になってくれてたんだぞ。礼を言っとけよ」
「え…、ライが?」
7年前で時が止まったままの彼の姿。それはまだ、とても幼くて。僕の名前を大声で呼ぶライの姿が思い浮かぶ。
「A姉!?」
そうそう。こんな感じに…
「A姉ーー!!」
「…んん??」
僕の名前を叫びながらこっちに走ってくる青年。見覚えのない彼に隊員全員が構える。
え、でもなんかイケメンじゃない? ほら見て!!目に涙を溜めてるけど、我慢してる姿とかちょっとやばい…。
「発狂しそう」
「やめてください」
目の前までくると、両膝に手をつき息を切らす。よほど急いで来たのか、荒い呼吸を繰り返す彼の頬に手を伸ばす。
「ねぇ、大丈夫?」
頬に手を当て顔を覗き込もうとした時、ガッとその手を掴まれ勢い良く顔を上げた。
「A姉、覚えてないの? 俺のこと忘れちゃった? 」
「え?え?」
「他の皆も!! 俺のこと忘れちゃった? 」
突然の振りに戸惑う皆。A姉なんて呼ぶのはライしかいなかったはずだけど…。
え?でもライって自分自身を�牴境瓩覆鵑童世辰燭辰�? �猖有瓩辰童世辰討覆�ったか?
いやいやいや。あれから7年だぞ。呼び方くらい変わっていてもおかしくない。
「…」
でもこんな背が高くなるのか? それに面影がない訳じゃないけど、かなりイケメンだぞ!?
「A様、疑ってんなぁ」
「私達だって信じられないもの。そう簡単に認められないのも無理ないわ」
やっぱりそうですよね〜。引き取った僕ですら信じられないもん。
「うぅ…A姉…」
「あ、ライだわ。うん、ライに間違いない」
「あっさり信じたぞあの人!!」
だって!! だってこの可愛い泣き顔には見覚えがあるもん。悪い事したライを叱った時に、泣かないように我慢をするもついポロっと涙が出た顔と同じだもん!!
「ライ」
「うん?」
彼を立たせ僕らは少し下がる。僕の目の前にいるのは小さな彼ではない。背も高くなり、一人前になった君。
「大きくなったね、ライ」
バッと両手を広げれば胸に飛び込んでくる。
「おかえりA姉、皆!!」
「うん。ただいま…!!」
第152夜 7年後の今、7年前の過去→←第150夜 ただいま、ソロモン!!
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千年彗星(プロフ) - 夢雪さん» 読んでいただきありがとうございます! そして泣いてくださるなんて…! アルマトラン編を好きと言ってもらえて嬉しいです、ありがとうございます! (2018年3月25日 20時) (
レス) id: c15a2aa7e8 (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 悲しすぎるです!(´；ω；｀)ｳｯ…すごく泣きました。無意識に気づいたら泣いてました。アルマトラン編私好きです。 (2018年3月25日 16時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - ティナさん» だいぶ落ち着いてきました(*^^*) 声をかけてくださり感謝感謝です!! それに加え何回も見てくださってるとは…!! ゴールデンウィークあたりにはできると思うのでそれまで待っていてくださると嬉しいです(*^^*) (2017年4月28日 12時) (レス) id: 5483d583eb (このIDを非表示/違反報告)
ティナ(プロフ) - お久しぶりです！ 落ち着いてきましたか？ 何回も繰り返し見てます！ 更新楽しみにしてます！ (2017年4月27日 21時) (レス) id: c9a6aed029 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - マロンクリームさん» コメントありがとうございます!! だんだん落ち着いてきたので更新もそろそろできると思います! これからもよろしくお願いします(*^^*) (2017年4月23日 0時) (レス) id: 5483d583eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千年彗星 | 作成日時：2016年6月25日 22時
