第149夜 7年前の本拠地で ページ2
A姉達が死んでから7年の時が経った。
あの日。百戦錬磨のA姉がいつまでたっても帰ってこなくて。ウーゴに聞いても気まずそうに顔を逸らされたり、話題を変えられたりした。
そんな日が何日も続いて。次こそはと思って、ウーゴの部屋の扉に手を掛けた時に聞こえたんだ。
『ソロモン、やっぱり亡骸は見つからなかったよ』
『…、私物もか?』
『神杖の破片一つすら残ってない』
『…』
『ソロモン、認めようよ。Aは死んだんだ…!! たった7人でダビデに立ち向かった彼女達は本当に強かったよ』
それは思わぬ形で知らされた悲報だった。
ねぇ、A姉? 悲報って聞いて、それがとても大切な人ので。涙もでないほどの悲しみに襲われた僕はどうすればいい?
この悲しみの乗り越え方。A姉なら知っているのだろうか?
A姉は変なところで抜けてるから、きっと気づいてないだろうけど…。
A姉が居なくなった世界はね、とても大変だったんだよ? シトラーなんかず〜っと泣いてたし、顔を合わせれば喧嘩してたアモンとザガンが喧嘩すらしなかったんだ…。
『ライ〜、帰ったよー』
『ライ、少し背が伸びたんじゃない?』
『ライは将来とても凄い魔道士になるよ!!』
もっと強くなるから…!!
だからそばにいてよA姉!!
『ライ…っ!』
『あ、ウーゴ。なに?』
『ライ、泣きたい時は泣いていいんだよ? 我慢してたら君自身が壊れちゃうよ…!』
『違うよ…。悲しいを通り越して涙がでないんだ…』
そういった差中、僕と同じ目線になるようにしゃがんだウーゴに優しく抱きしめられ背中をさすられた。
『もう居ないんだ』
『…』
『何処を探しても、もう居ないんだよライ!!』
『そんなの…、そんなの認めない!! 帰ってくるって、待っててって言ったもん!! 約束は破らないもんA姉は!! ウーゴや皆がその事を一番分かってるのに、なんでそんな簡単に認めちゃうの!? 』
『簡単なんかじゃないよ…!』
『嫌だよ!! 早く帰ってきてよA姉!!
うわぁぁん!! なんで僕1人だけ置いてっちゃったのさぁ!!』
ウーゴにしがみついて無我夢中で泣いた。
こんなに泣いたのは初めてだなぁ…。
ーよしよし、ライはかわいいなぁー
『ウーゴ、なんでA姉達だったの?うわぁぁあん!!』
『…っライ!!』
ー大丈夫、ライは1人じゃないよー
いつもの声で、笑顔で、優しく僕の頭を撫でながらA姉がそう言っている気がした。
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千年彗星(プロフ) - 夢雪さん» 読んでいただきありがとうございます! そして泣いてくださるなんて…! アルマトラン編を好きと言ってもらえて嬉しいです、ありがとうございます! (2018年3月25日 20時) (レス) id: c15a2aa7e8 (このIDを非表示/違反報告)
夢雪 - 悲しすぎるです!(´;ω;`)ウッ…すごく泣きました。無意識に気づいたら泣いてました。アルマトラン編私好きです。 (2018年3月25日 16時) (レス) id: a2e26e90a4 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - ティナさん» だいぶ落ち着いてきました(*^^*) 声をかけてくださり感謝感謝です!! それに加え何回も見てくださってるとは…!! ゴールデンウィークあたりにはできると思うのでそれまで待っていてくださると嬉しいです(*^^*) (2017年4月28日 12時) (レス) id: 5483d583eb (このIDを非表示/違反報告)
ティナ(プロフ) - お久しぶりです! 落ち着いてきましたか? 何回も繰り返し見てます! 更新楽しみにしてます! (2017年4月27日 21時) (レス) id: c9a6aed029 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - マロンクリームさん» コメントありがとうございます!! だんだん落ち着いてきたので更新もそろそろできると思います! これからもよろしくお願いします(*^^*) (2017年4月23日 0時) (レス) id: 5483d583eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千年彗星 | 作成日時:2016年6月25日 22時