第134夜 奈落の底へ ページ36
彼等に協力を求めて正解だった。事は嘘のように解決していく。どこかに証拠があるからと言ったら、金属の欠片をシトラーが拾ってきた。
それは間違いなく神杖の破片。
皆には感謝しかないよ!ありがとー!!
「という訳でA姉が宴やるってさ。暗い気分も晴らそう!!って」
「「「また唐突な」」」
基地はもはや担当者の国のようなもので。何をやっても大抵許される。
月が天高く昇る夜。第7基地では宴がおこなわれていた。
「A様!!これ食べてください。私が作ったんですよ!!」
桃果汁の入った杯を片手にライと遊んでるとシトラーから差し出されたそれ。
うん。いや、僕は人の作ってくれたものに対してはあんまり言いたくないんだけどね。
「A姉、これはやめたほうがいいよ」
耳打ちしてくるライ。そして目の前には満面の笑みのシトラー。そして彼女の持つそれはブクブクと変な音をたてた、紫の変色物。
「あの〜、これは。何かな?」
所々に浮かぶ黒い粒にぐじゅぐじゅの何か。
「これはスイカでこっちは桃です!煮込んでみました。A様は果物が好きと聞いてましたので!」
あっじゃあこれスイカの種!?え、しかも何?桃を煮込んだの?いやーー!!
「さぁ、どうぞ!!ライ様も…ってあれ?」
いつの間にかライは居なくて。こうなることが分かって逃げたな!!
視線を逸らすようにして彼女の背後に目をやると、ザガンが必死に首を横に振っている。
つまり食べるなってことじゃん!!やばいってこれ。吐くよ絶対!
「もしかしてお腹いっぱいですか?」
「え!?あ、うん!!そうなの、ごめんね!!」
思わぬ転機に便乗する。これで食べなくて済む、助かった〜!!
「では、別の日に作りますね!!」
「いや、だいじょう…」
「次は何を入れましょうかね〜、ふふっ!!」
軽い足取りで去って行くシトラー。おそらく、次のものは今回のよりグレードアップしてることだろう。
「いやだーー!!」
そんな波乱があった宴も皆の笑みと共に終わり、1人帰路を歩く。
そういえば、彼等もこんな1人で居る時に襲われたんだよね。でも、早く復帰できるくらいの浅い傷みたいでよかった。
「おや?危ないですよ、1人は」
突然の声に振り向くが暗くて顔は分からずに。煌々とした月の光に照らさせて、振り上げられた神杖が光る。
「いくら百戦錬磨のAでも」
振り下ろされたそれを避けた先、階段の段差を踏み外す。
「やば…っ!!」
暗い暗い奈落の底へ転がり落ちる。
待ち受けるのは生か死か。
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千年彗星(プロフ) - 青鷺さん» コメントありがとうございます!! 小説共々、頑張っていくので今後ともよろしくお願いします(*^^*) (2016年6月28日 6時) (レス) id: 45d0ac0ce9 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - マリーネさん» コメント感謝です(*^^*) 読者さまが楽しんでいただけたら幸いです! 今後ともよろしくお願いします!! (2016年6月28日 6時) (レス) id: 45d0ac0ce9 (このIDを非表示/違反報告)
青鷺(プロフ) - 千年彗星さん» 小説もだけど、受験頑張ってください!!!勉強?なにそれおいしいの? (2016年6月28日 6時) (レス) id: cb35208076 (このIDを非表示/違反報告)
マリーネ(プロフ) - むっか〜。シンドバッドむっか〜。 (2016年6月28日 4時) (レス) id: 252b10e98a (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - きゅーちゃんさん» 好きと言っていただきありがとうございます!! 今後ともこの小説をよろしくお願いします(*^^*) (2016年5月2日 17時) (レス) id: 113143dc1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千年彗星 | 作成日時:2015年8月1日 13時