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第133夜 弱い僕に力を ページ35

「守護神様、姿がなかったもので逃げたのかと思いましたよ」

本拠地に着いて朝一に浴びせられたそれは、僕の屈辱感を満たすのには充分だった。

「友達を置いて逃げないよ」

「早く捕まえてくださいよ。犯人は貴女様の事が随分お嫌いのようですので」

「うん、君みたいにね」

無言の一瞬が通り過ぎる。それからあの男は背を向け去って行った。








光の番人が世界を照らしだし、活気を見せ始めた世界で。

「また喧嘩売られたんですか?A様」

「そうなのよ〜。どう思いますか、奥さん」

ザガンと一緒に花の種を埋めながら雑談。こうして地味な作業も彼とやると一味違って見えるのだ。

「僕は、貴女様が馬鹿にされるのはとても嫌です。頑張ってるのに何であんな事言われなきゃいけないんでしょうか?」

「昔の君からは聞けない言葉だね」

「あんな僕でも好きと言ってくれて、本当は嬉しかったんです!!」

作業の手を止めると、僕の手を握ってくる。

「こんな事言うの失礼ですが。貴女様はもう、限界…、なのでしょうか」

そんな彼の手を握り返し立ち上がると、服に着いている砂がポロポロと落ちていく。

「そこでお願いがあるんだ!!」








何時ものように種族が行き交う場。その周りの建物の中でもよく目立つところに降り立つ。そんな僕の姿にまだ彼等は気づいてなくて。

「あのーーー!!」

「「「え、A様!?」」」

その大声に一斉に視線が集まる。
よし!やろう。ここまできたらやるしかない!
大丈夫。ダメだったらまた案を練ろう!

「今回の事件、僕の不届きで皆の事不安にさせたりしてごめんなさい!!」

「危ないですぞ!!早く降りてください!!」

「少しでいいから、聞いて!!」

そう言うと、焦り声などが少しずつ収まっていく。

「僕、最高守護神とか正直何やればいいか分かんない。力不足のせいで事件も解決しない!!」

「A様…」

「だからどうか、君たちの力を僕に貸してくれませんか?強くなるまで弱い僕にその力、貸してくれませんか!!」

弱いところを隠してもしょうがない。お願いしよう。こんな僕に力を貸してくれと。

静まる場に向けられる視線の中で。

「ふふっ!貴女様は本当に凄い人です」

「え?」

そしてその後、口を揃えて言うのだ、

「「「喜んで!!」」」

…と。

「ありがとーー!!皆、大好きってうお!」

「「「A様!!」」」

建物から落ちる僕を抱きとめた腕はとても頼もしい。


そしてこれを境に、事件は急速な解決をみせる事となる。

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千年彗星(プロフ) - 青鷺さん» コメントありがとうございます!! 小説共々、頑張っていくので今後ともよろしくお願いします(*^^*) (2016年6月28日 6時) (レス) id: 45d0ac0ce9 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - マリーネさん» コメント感謝です(*^^*) 読者さまが楽しんでいただけたら幸いです! 今後ともよろしくお願いします!! (2016年6月28日 6時) (レス) id: 45d0ac0ce9 (このIDを非表示/違反報告)
青鷺(プロフ) - 千年彗星さん» 小説もだけど、受験頑張ってください!!!勉強?なにそれおいしいの? (2016年6月28日 6時) (レス) id: cb35208076 (このIDを非表示/違反報告)
マリーネ(プロフ) - むっか〜。シンドバッドむっか〜。 (2016年6月28日 4時) (レス) id: 252b10e98a (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - きゅーちゃんさん» 好きと言っていただきありがとうございます!! 今後ともこの小説をよろしくお願いします(*^^*) (2016年5月2日 17時) (レス) id: 113143dc1c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千年彗星 | 作成日時:2015年8月1日 13時

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