第132夜 友の声援 ページ34
しかし、そんな思いを断ち切るかのように。
魔道士狩りは勢いを増し、僕以外の七魔導士団全員が襲われることとなった。
それを止める手だても無く、魔導士である仲間に協力は求められない現状。
「大変だったな、A」
星が瞬く空はここからは見えない。今回の事どうしたらいいのか分からず、セバスチャンに身の内の全てを打ち明けた。
「A、本当は犯人は誰か。分かっているのではないか?」
「1人目がやられた時点で検討はついてた。けれどダメなんだ!!たとえ99%の確信があろうと、たった1%の証拠がなきゃ!!」
ずっと捜し続けていた。証拠が何処かにあるはずなんだと。だけど、足掻けば足掻くほどそれは遠ざかって行く気がして。
あと一押しなんだ!!何処かにあるはずなんだ証拠が!!見逃してるだけですぐ側にあるはずなんだよ!!
「小さき者達には頼めない、か。それを狙っての犯行かもしれんな」
「負けられない。こうしてる今も彼奴は悠々と生きてるんだ!!」
想像するだけで腹が立ち、神杖をギリギリと握り締める。
全部第7基地で起こった事だったのに!!目の前に危険があったのに気づけなかった。僕のせいで基地は不安で溢れかえってるんだよ!!
「こらA、落ち着け」
僕の目線に合わせると目を瞑るセバスチャン。
「焦る気持ちは分かる。仲間に頼れない現状がいかに大変かもな」
親身になって想ってくれるセバスチャンが大好きでたまらない。人間の僕の事を自分の娘だと昔から言ってくれる。
「だが、お前の仲間は本当にそれだけなのか?」
「…え?」
「A、お前にはまだいるではないか」
思い出すのは基地の種族達。でも、彼等は守らなければならない存在なんだ。頼って何かあったら、今度こそ本当にどうすればいいのか…!!
「守り守られ、助け助けられ。それが友だと、仲間だと。自分で言っていたではないか」
あぁ、そうだ。素敵な仲間や友達が沢山いるんだった。何で、気づかなかったんだ!!
「やっと気づいたか。本当、変なところで抜けているな」
そう言ってギュッと抱き締めてくれる。ありがとう、セバスチャン。その想いが伝わるよう、僕も抱きしめ返す。
「さぁ、直に夜が明ける」
「ありがとう、セバスチャン!!」
浮遊魔法で浮かび離れると。
「頑張れA!!私がついている!!」
「がっ…がんばる!!頑張るよ!!」
僕には頑張れと言ってくれる友がいる。僕を抱き締めてくれる友がいる。だから立ち上がれ!!苦しくても立ち上がるんだ!!
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千年彗星(プロフ) - 青鷺さん» コメントありがとうございます!! 小説共々、頑張っていくので今後ともよろしくお願いします(*^^*) (2016年6月28日 6時) (レス) id: 45d0ac0ce9 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - マリーネさん» コメント感謝です(*^^*) 読者さまが楽しんでいただけたら幸いです! 今後ともよろしくお願いします!! (2016年6月28日 6時) (レス) id: 45d0ac0ce9 (このIDを非表示/違反報告)
青鷺(プロフ) - 千年彗星さん» 小説もだけど、受験頑張ってください!!!勉強?なにそれおいしいの? (2016年6月28日 6時) (レス) id: cb35208076 (このIDを非表示/違反報告)
マリーネ(プロフ) - むっか〜。シンドバッドむっか〜。 (2016年6月28日 4時) (レス) id: 252b10e98a (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星(プロフ) - きゅーちゃんさん» 好きと言っていただきありがとうございます!! 今後ともこの小説をよろしくお願いします(*^^*) (2016年5月2日 17時) (レス) id: 113143dc1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千年彗星 | 作成日時:2015年8月1日 13時