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第81夜 許されるのならば ページ32

許されるのならば、
一つだけ聞きたいことがあるのです。




主達が眠りに入り数時間が経過した頃。



「ンニャ〜」


夜明け特有の風の匂いと共にクロが起き。


「ん〜。なんだよ、もう起きるのクロ?」


続くようにして主が目を覚ました。


「おはようございます。主、クロ」

「おぉ〜。見張りお疲れ」

「ニャニャ‼」


私なんかの見張り等無くても、
主なら危機を察知し襲われて死ぬことはまず無い。

そんな主はソロモン王が側に置くくらい信用されていた。



「うおぉ⁉傷、少し治ったんじゃない?」

「ニャ⁉」


起きるな否や、
クロに傷を見せてはしゃぐ姿。

誰よりも心優しく異種族に接してくれた姿。

その身が尽きるまで戦ってくれた姿。




けれど、
どうしても分からない事があるのです、主。


「ふふふ…。どーよクロ」

「ンニャ〜」



なぜあの時。



「そうかそうか。
もっと尊敬してくれてもいいんだぞ‼」

「ケッ…」






なぜあの時。





「お?なんだその顔は‼」

「…」

「無視かよ‼」





なぜあの時。

『ごめんね…』

私達を…、アルマトランを捨てたのですか…?




心優しい貴女様の事です。
何か私達には話せない事情があったのかもしれません。



「シトラー、そんな暗い顔してどうした?」

「あの…主」

「ん?」


どうしてあの時捨てたのですか?
聞いてしまおうと何度思ったことか。
けれど心の何処かで分かっている自分がいる。

この言葉を言ってしまったら主はまたお一人で何処かへ行ってしまう…。




「シトラー?」

「…、いいえ。何でもありませんよ」

「そう?なら良かった!」




あの事は知らぬ間にジンの間でも禁句とされていて。気づけばアルマトランの禁句とされるようになった。




ですが主。
私はどうしても真実を知りたいのです。
皆もそう思っています。




登り始めた朝日が主の顔を照らし出す。
その姿はあの頃と変わらず美しくて。









主、聞きたいことがあるのです。









許されるのならば、
一つだけ聞きたいことがあるのです。

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千年彗星 - 花臨さん» コメントありがとうございます(*^^*)進○の巨人にもそんなシーンがあるんでしょうか?よく知らないので時間の合間に読んでみようかと思います(*^^*) (2015年10月5日 0時) (レス) id: c561c3ef2a (このIDを非表示/違反報告)
花臨 - 凄く面白いです!更新を毎日楽しみにしてます! 89話「人間です」……進●の巨人ですかね(笑) (2015年10月4日 13時) (レス) id: 932ef91d5e (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星 - 紅鈴さん» コメントありがとうございます!更新率遅くてごめんなさい!!そう言ってもらえるととても嬉しいです(*^^*)頑張ります!! (2015年7月24日 21時) (レス) id: 81bd355fba (このIDを非表示/違反報告)
紅鈴(プロフ) - 千年彗星さん» いつも更新するのを待ってます!頑張って下さい!!v(*⌒0⌒)v頑張って♪ (2015年7月23日 21時) (レス) id: da4cbf1016 (このIDを非表示/違反報告)
千年彗星 - まめもちさん» コメントありがとうございます!なかなか更新できませんが精一杯尽くします! (2015年7月19日 17時) (レス) id: 3062e15b98 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千年彗星 | 作成日時:2015年2月3日 23時

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