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彼は本来ならば既に調査を終えて国に帰還し、今頃はアストライオスに随伴してポヴァーヴルの国王や周辺諸国の諸王に謁見している予定…であったはずなのだが、そこで一つの、たった一つの、だが非常に大きな問題が発生したのだ。彼の誤算は、下界が彼を含めた巨人達が想定していた以上に混沌を極めていたこと、尚且つイヴィル教の存在によってこのポヴァーヴル国内が動乱の真っ只中にあったことである。ある日、ポヴァーヴル以外の国々の調査を終え、ポヴァーヴルと隣国との国境に近づいた際に彼は何やら祭礼用と思われる衣服を纏い、装飾の多い錫杖のようなものを携え、馬に騎乗して森を走る人間たちを見かける。彼らがポヴァーヴル独特の訛りのある言語で会話していたため、ポヴァーヴルの人間として調査に協力してもらおうとその後を追いかけたところ、彼らが獣人たちの住む集落に突然火を放ち、走り去るのを見て驚く。
片方の耳飾りを外して力を解放し、獣人たちを救いつつ、彼らに、あの人間達がなぜここに火を放ったのか問うたところ、あの人間たちはイヴィル教という新興宗教の信徒…の中でもかなり過激な思想を持った者たちであること、そして彼らイヴィル教徒曰く自分たち異教徒は世界の癌であり、その上神を、それも人型の神を信仰しない愚か者であるため彼らにとって聖なる存在である炎で集落を焼き払うことで”浄化”をしようとしていたのだ、ということを知るのである。これに彼は大層驚き、憤慨する。そして走り去った信徒たちを追いかけ、死なない程度に(というよりもほぼほぼ彼らの自滅なのだが)行動不能にし、そのうちの一人を捕まえると「何故獣人たちの命を奪うようなことをした」、「森に火の手が回ったら大変なことになるのに想像すらしなかったのか」、「お前たちの信仰する宗教は何と傲慢な教えを説いているんだ」と非難する。
だが、これが良くなかった。彼としてはただ冷静に淡々と問い詰めているだけでも、側から見ればそうではない。結果、彼はイヴィル教に「教えを批判した上に、信徒を脅かした異教徒」として捕縛され、第七階層に収容されてしまう。その際に彼は妖精族用の全てが鉄で出来た檻に入れられたのだが、これは先述した巨人族の珍しさや、自称巨人族、つまりは一部のスプリガンなどの妖精とのハーフたちの存在によるものが大きい。
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作者名:ねこうさぎ | 作成日時:2021年2月19日 3時