第７３曲 ページ33
「そんなことより！2人ともまだ桜雪ちゃんの差し入れ食べたことなかったよね？」
２人の纏う空気に思わずたじろいでいると、そ
んな様子を見かねたあんずちゃんが横から２人
を宥めるように話かける。
「差し入れ？」
「何それ？」
『あ…そうなの！』
有難いあんずちゃんからの助け舟に乗せてもら
い、鞄の中から差し入れ用のクッキーを取り出
すと皆に見えるように差し出した。
『練習の合間に糖分を摂取出来るようにあんずちゃんと考えて食べやすいクッキーにしてみたんだ』
「そうだったのか」
「わぁ！桜雪ちゃんとあんずちゃんが僕達のために？！」
(…桃李くんお墨付きだから、味は大丈夫なはず…)
少し大きな袋に詰めたクッキーを見せると、嬉
しそうにそれを受け取ってくれた氷鷹くんと横
でそれを覗き込む遊木くん。
「美味しそ〜！…あーむ♪…ん〜！美味しー！！」
「明星！これは練習の合間に食べられるように彩ノ瀬が作ってくれた差し入れだ、今食べるな！」
「えー、全部食べる訳じゃないんだから別に良いじゃん！っもーホッケーは相変わらずかったいなぁ」
「俺はせっかくの２人の好意をだな」
「ま、まぁまぁ！まだあるんだし」
『そうだよ、いっぱいあるから』
感動したように受け取り中身を眺める氷鷹くん
の横からひょっこり顔を出した明星くんが一枚
クッキーを頬張ると途端に喧嘩に発展しそうな
２人を慌ててあんずちゃんと間に入った。
「彩ノ瀬、木咲…そうやって明星を甘やかすな」
「でも、本当に美味しいよ！氷鷹くんも食べてみなよ！」
「遊木…お前まで…」
「そうだよホッケー！皆で食べれば同罪でお咎め無しってことで☆」
「んぐっ！」
渋る氷鷹くんに隣りで明星くんと同じように１
枚クッキーを食べる遊木くんに呆れたように反
応を示す氷鷹くんに明星くんが無理矢理クッキ
ーを氷鷹くんの口に突っ込む。
「……確かに美味しいな……程よい甘さで甘すぎずかと言って薄すぎない……」
「でしょ〜！！」
そのまま咀嚼せざるを得ずにクッキーをひと口
齧ると、氷鷹くんは感心したように感想を口に
してくれた。
作った身としては、３人の反応に安心するばか
りで……
嬉しそうにクッキーを食べてくれた３人にあん
ずちゃんと顔を見合わせて微笑んだ。
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朔櫻 実桜(プロフ) - *神*威*さん» まだ秘密ですが……恐らく"あの人"です(笑） (2017年10月29日 22時) (
レス) id: cb01b25ab1 (このIDを非表示/違反報告)
朔櫻 実桜(プロフ) - *神*威*さん» ありがとうございます！！面白いと言っていただけるとは恐縮です！どちらかというと男主を書くことが多いので女主の話を書くことは慣れないのですが…ドキドキすると言っていただけてとても嬉しいです！更新これからも頑張ります！ (2017年10月29日 22時) (レス) id: cb01b25ab1 (このIDを非表示/違反報告)
*神*威* - 視線の正体って、“あの人”ですよね？(笑) (2017年10月28日 23時) (レス) id: 662403215f (このIDを非表示/違反報告)
*神*威* - とても面白くて、読んでいてドキドキします！これからも更新頑張ってください(^○^) (2017年10月28日 23時) (レス) id: 662403215f (このIDを非表示/違反報告)
オワタ - 朔櫻 実桜さん» 楽しみにしてます 真緒くんへ、ならば小一時間話そうではないか(＾言＾) (2017年2月19日 18時) (レス) id: 8f905062d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔櫻 実桜 | 作成日時：2016年6月29日 1時
