エピソード７６ ページ33
「っ―――！！」
思わず玉姉から手を離し、おでこを抑える。
たまに自分の方が早く現場に来たからって、そんな偉そうにしなくても。
「なにする……」
玉「紅覇お兄様！ あんまりAちゃんをいじめないでください！」
文句を言おうとした私の言葉を遮って、玉姉が抗議してくれた。
玉「Aは、お兄様の妹ですわ！ いじめないで、ちゃんと守ってくださいね！」
いつになく強い口調の玉姉。
紅覇お兄ちゃんは、その勢いに押されて
「はいはい」
と、ため息交じりに返す。
そして。
覇「大丈夫。こいつをいじめていいのは僕だけだしぃ〜。他のやつらには手を出させないよ」
(いや……私に手を出すのも辞めてほしいんだけど……)
じとーっと兄を見ていると。
玉「お兄様！！」
紅玉お姉ちゃんが本気で怒鳴った。
(お姉ちゃんは天使だなぁ……)
義妹のために、こんなに必死になってくれる紅玉お姉ちゃん。
私はこの一番年の近い姉が大好きだ。
さらに、早く城に帰還してお姉ちゃんの傍にいたい、と思った。
すると。
覇「――大丈夫だよ」
真剣な声。
紅覇お兄ちゃんは普段はふざけているのに、時々、すごく真面目になる。
その変わり身に、どきどきしてしまうこともあるのは内緒。
……いつも、真面目ならいいのに、と心底思っているのは、大々的に表に出しているけれども。
覇「Aを守るのが、今回の僕の使命だからね」
私達……妹に向かってウィンクする三番目の兄。
覇「大事な身内を守るための力もあるしぃ」
そう言って、兄は金属器――如意練刀の柄に手をかけて見せた。
「はい。頼りにしてます」
ぺこりとお辞儀する。
今回、護衛してくれる兄には感謝してるから。
顔をあげたら。
――ゴン。
頭突き。
「！？」
玉「お兄様！？」
軽いものだけど、……やっぱり少し痛い。
紅玉お姉ちゃんが唖然としている。
私はじんじんする頭と額の境目を反射的にさする。
すると。
覇覇「お前さ、僕が昨日言ったこと覚えてるぅ？」
呆れたような、だけど少し怒った声。
「え？」
生返事に、やれやれ、と首を振られた。
覇「あのさぁ、僕、昨日言ったよね？ 今日からは二人旅、……気を使うな、って！」
「……あ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 90人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
一花(プロフ) - 練 雛姫さん» いえいえ（＾＾） こちらこそ、有難うございます。これから、宜しくお願いしますね！ (2014年7月27日 19時) (
レス) id: aa8e4f9320 (このIDを非表示/違反報告)
練 雛姫(プロフ) - 一花さん» 出来ました！有り難う御座います！！これから宜しく御願いします(*^▽^)/ (2014年7月26日 22時) (携帯から) (レス) id: 6f946666e9 (このIDを非表示/違反報告)
一花(プロフ) - 練 雛姫さん» いえいえ！ 雛姫さんの、こみゅ〜のページで、「友達リスト」をクリックすると、申請者に、きっと一花がいるはずなので、許可をぽちっとしてやってください（＾＾） (2014年7月26日 21時) (レス) id: aa8e4f9320 (このIDを非表示/違反報告)
練 雛姫(プロフ) - 本当に申し訳無いのですが友達申請ってどうすれば受理できるのですか？(;_;) (2014年7月26日 12時) (携帯から) (レス) id: 6f946666e9 (このIDを非表示/違反報告)
一花(プロフ) - 練 雛姫さん» そ、そこまで喜んでくださると、本望です。アカウントをお持ちだったようですし、友達申請出しますね。独り言だらけですが、宜しければ、受理してくださいませ！ (2014年7月25日 15時) (レス) id: ab2859cca3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：一花 | 作成日時：2014年4月6日 19時
