エピソード60 ページ17
「私は煌帝国の第九皇女で、炎兄が第一皇子。今、その立場がある以上、ある意味上司と部下のような上下の関係は存在するかと思います」
炎「……お前は、間違いなく、煌帝国の皇女だ。――お前ほど、『皇女』らしい『皇女』もいないだろう」
表情だけでなく、声にも呆れた色が乗る。ため息交じりに言われてしまった。
炎「『皇女』という存在がどういうものか、お前はよく理解している」
「……」
炎「だが、地位など簡単に移り変わるものだ」
「……」
炎「それは、お前が一番良く理解している筈だ」
胸で組まれた兄の腕が解かれる。
そっと右手が私の頬に添えられた。
炎「『皇女』という立場を失くして考えろ」
静かで穏やかな目に、呆けた私の顔が映っている。
炎「ただのAと、紅炎という男。……ただの『妹』と『兄』、そう考えてみたらどうだ?」
(……どうだって言われても)
そんなの、答えは決まっている。
「ただの兄妹として考えるなら、妹は長く家を留守にする前に、大好きなお兄ちゃんに会いたいと思うのが普通です」
これは煌帝国第九皇女、練Aとしての意見ではない。
あくまで、ただの一般的な「兄妹」の感情を想像して語る、言葉遊びだ。
……それなら、本音が言える。
「本当は、家族の元を離れるのは不安だと思うし、せめて、大好きなお兄ちゃんに「行ってきます!」って挨拶したい筈です」
―――フッ。
兄の表情が優しく緩んだ。
そして、私の頬に添えられていた右手が私の脇の下に伸びてきた。
もう片方の手も、反対の脇の下に伸びてくる。
「え、うわっ!?」
ふわり。
次の瞬間、私の足は床から離れ、体が宙に浮く。
炎「やっと、本心が出たな」
そう言って、掲げた私の体を抱き寄せる。
相変わらず、私の足は床から離れたまま。
まだ幼かったころのように、軽々と炎兄は私を腕の中に抱き抱えてしまった。
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一花(プロフ) - 練 雛姫さん» いえいえ(^^) こちらこそ、有難うございます。これから、宜しくお願いしますね! (2014年7月27日 19時) (レス) id: aa8e4f9320 (このIDを非表示/違反報告)
練 雛姫(プロフ) - 一花さん» 出来ました!有り難う御座います!!これから宜しく御願いします(*^▽^)/ (2014年7月26日 22時) (携帯から) (レス) id: 6f946666e9 (このIDを非表示/違反報告)
一花(プロフ) - 練 雛姫さん» いえいえ! 雛姫さんの、こみゅ〜のページで、「友達リスト」をクリックすると、申請者に、きっと一花がいるはずなので、許可をぽちっとしてやってください(^^) (2014年7月26日 21時) (レス) id: aa8e4f9320 (このIDを非表示/違反報告)
練 雛姫(プロフ) - 本当に申し訳無いのですが友達申請ってどうすれば受理できるのですか?(;_;) (2014年7月26日 12時) (携帯から) (レス) id: 6f946666e9 (このIDを非表示/違反報告)
一花(プロフ) - 練 雛姫さん» そ、そこまで喜んでくださると、本望です。アカウントをお持ちだったようですし、友達申請出しますね。独り言だらけですが、宜しければ、受理してくださいませ! (2014年7月25日 15時) (レス) id: ab2859cca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:一花 | 作成日時:2014年4月6日 19時