21seconds・人より自分 ページ21
征十郎side
彼女が見舞いに来てくれるとは、思いも寄らなかった。
常に冷静な俺も、この時ばかりは顔に出てしまう。
…さっき、土浦に『干渉するな』と言っておいて正解だったな。
彼女に聞きたい事を遠慮なく聞ける。
君は正直に答えてくれるかい?
『赤司君…?』
『昨日のお守りのことなんだが…あれは合格守りだった。既に受験は終わってるだろ?何故、まだ…』
『それは…』
『誰かに貰ったのか?…例えば、小太郎とか…』
『!?』
一目で確信が持てる反応をした。
俺の予想は外れていなかったんだ。
『赤司君の言うとおり、コタから貰ったよ。幼なじみでも、贈り物なんて今までなくて…嬉しかった』
『日野さんは小太郎のこと…』
『…』
彼女は声に出さず、頬を染めて俯く。
『うん』と、同じ意味だろう。
想われている小太郎に嫉妬を覚える。
『好きなら、気持ちを伝えてはどうかな?』
『…どうして?』
『人の気持ちは、いつどう変わるか分からない。もしかしたら、水山さんが小太郎を好きになる可能性だってある。日野さんは水山さんと友達だし、全部気付いてる筈だ…水山さんが俺に告白したことや、小太郎が水山さんに気があることを…』
俺は自分の気持ちを隠して、キツい話をしてしまった。
傷つくのを承知で…
しかし、彼女は凹むどころか俺を見て苦笑する。
『私の気持ちに気付いたの…花火大会の日?』
『あぁ…』
『隠してるつもりだったのにな…』
『日野さんだって、遠慮する必要はない』
『分かってるけど…2人共、大切な人だもの。なかなか素直になれない』
『…』
『赤司君は…気になる人はいる?』
『俺は…まだよく分からないな』
『んー…意味深な答え』
度重なる嘘。
慎重に恋愛するタイプだったか?
『一方通行な想いにいい加減見切りをつけようと思っていたけど、もう一度よく考えてみる。どうもありがとう』
『いや…詮索して悪かった』
人の恋愛よりも自分の恋愛を見つめろ。
脳内で自身に説教しながら、そっと彼女の頭に手を伸ばした。
柔らかい髪に触れて…
何だか癒される。
…と同時に、まるで彼女の恋愛を応援してる形になってしまったのでは?!
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なび(プロフ) - アンジュさん» ごめんなさい…反省してます。でも、更新出来る日は元気なので安心してください。これからも頑張ります! (2016年2月14日 10時) (レス) id: e7664e92f9 (このIDを非表示/違反報告)
アンジュ(プロフ) - 無理は禁物ですよ。前にもありましたね。ゆっくり休んで、なびさんのペースで作ってくださいね。更新なくてさみしかったですよ。 (2016年2月13日 22時) (レス) id: a644d45974 (このIDを非表示/違反報告)
なび(プロフ) - さくさん» ありがとうございます。熱も一日で下がったので、無理のない範囲でやっていきます。一日1話で申し訳ないですが、お付き合い下さい(*^o^*) (2016年2月13日 22時) (レス) id: e7664e92f9 (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - 毎日楽しみにしていますが無理だけはしないでくださいね! (2016年2月13日 21時) (レス) id: 74a7b7fe34 (このIDを非表示/違反報告)
がー - もう一回すみません!書きれなくて・・・笑ていうか、赤司くんの王子様姿!・・・ヤバイっすね!(〃´ω`)ゞ夢主ちゃんと赤司君いい雰囲気でなごみますね(゚´∀`゚)ノ (2016年2月10日 18時) (レス) id: 8adeec7253 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なび | 作成日時:2016年1月14日 18時