20seconds・穏やかな空間 ページ20
YOUside
彼は布団から起き上がり、私を見ている。
昼間と比べると、大分顔の赤みが取れたような…
休んで回復出来たのだろうか?
『遅い時間に訪ねてごめん』
『そんなことは気にしなくていい』
『あの…赤司君、私のせいで風邪ひいた?』
『急にどうした?』
『昨日、お守りを見つけてくれたでしょ?それから…』
『朝に言った筈だ。『日野さんとは関係ない』…と』
『…』
『学校帰りに病院へ寄って、点滴と注射を打ったから明日は普通に行けそうだよ。心配掛けたな…もう、これで日野さんが気に病むことは何もない』
いつも優しい言葉で、私を楽にしてくれる赤司君。
だから、私も…
『ありがとう…』
『!?』
助けてくれた人へ精一杯の感謝の言葉。
ちゃんと届いたかな?
あっ…!
渡す物があったんだ。
『ねぇ、もうご飯食べた?食欲ないかもしれないと思って、差し入れを…子供みたいな食べ物だけど…』
『俺に?』
私は買い物袋ごと彼に手渡す。
馴染みない味なら、苦笑いするしかない。
『わざわざすまない。今、食べてもいいか?』
『あっ、うん』
『良かったら、一緒に…』
『赤司君に買ってきたんだし、全部食べて』
こんな時でも、勧めてくる彼は紳士だ。
ゼリーを取り出し、スプーンいっぱいにすくい上げ頬張る。
『…美味い』
『本当?』
『あぁ…人が差し入れしてくれた物は、不思議と元気が出てくるものなんだな』
2人でいる空間が穏やかに感じて、自然と頬が緩んでしまう。
思ったより、元気そうで安心した…
『喜んで貰えて良かった…安心して帰れる』
『…』
『長居するのは身体に良くないから、そろそろお暇するね』
『日野さん!』
『えっ…』
鞄を手にして腰を上げた瞬間…
何と、赤司君が布団を剥いで私の腕を掴んだ。
手の温もりを感じる。
『…何?』
『その…もう少し話せないか?』
『?!』
私に話しって…
どんな内容なのだろう?
こうして触れられたのは、花火大会以来…
意識すると同時に、身体中に熱が帯びるのを感じた。
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なび(プロフ) - アンジュさん» ごめんなさい…反省してます。でも、更新出来る日は元気なので安心してください。これからも頑張ります! (2016年2月14日 10時) (レス) id: e7664e92f9 (このIDを非表示/違反報告)
アンジュ(プロフ) - 無理は禁物ですよ。前にもありましたね。ゆっくり休んで、なびさんのペースで作ってくださいね。更新なくてさみしかったですよ。 (2016年2月13日 22時) (レス) id: a644d45974 (このIDを非表示/違反報告)
なび(プロフ) - さくさん» ありがとうございます。熱も一日で下がったので、無理のない範囲でやっていきます。一日1話で申し訳ないですが、お付き合い下さい(*^o^*) (2016年2月13日 22時) (レス) id: e7664e92f9 (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - 毎日楽しみにしていますが無理だけはしないでくださいね! (2016年2月13日 21時) (レス) id: 74a7b7fe34 (このIDを非表示/違反報告)
がー - もう一回すみません!書きれなくて・・・笑ていうか、赤司くんの王子様姿!・・・ヤバイっすね!(〃´ω`)ゞ夢主ちゃんと赤司君いい雰囲気でなごみますね(゚´∀`゚)ノ (2016年2月10日 18時) (レス) id: 8adeec7253 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なび | 作成日時:2016年1月14日 18時