13.零れ落ちる涙 ページ21
〜Aside〜
『ふぅー……。出来た。』
火を止めて、出来上がった料理をお皿にのせていく。
「おおー!良い匂い!」
フライパンを置くと、後ろから翔太が覗き込んできた。
『食べてくんでしょ?』
食べるー!と笑顔で即答してきた。
そんなことだろうと思って、多目に作って良かったぁ……。
『あれ、美咲はー?』
リビングにいるのかと思って、声を掛けようとした。
が、リビングにはようやくリラックス出来たまふくんしかいない。
「あ、美咲ちゃんなら鞄置きに部屋に行っちゃったよー。」
『あ、そうなのね。……ちょっと美咲のとこに行ってくるから箸とかの準備よろしくっ!』
家の間取りを分かっている翔太に残りの準備を任せて美咲の元へ行く。
.
『美咲〜!入るよ〜。』
ドアをノックして、ガチャリと開ける。
「っ!……お姉ちゃ、っく。」
中に入ると、目に大粒の涙を溜めている美咲が立っていた。
……
『……どうしたのー?お姉ちゃんに聞かせてごらん。』
「あの、っね_________……。」
美咲は泣きじゃくりながら、今日の学校であったことを話してくれた。
今日は、靴を隠されたのか……。
『よく我慢したね、えらいえらい!』
私は美咲を抱きしめ、ゆっくりと頭を優しく撫でてあやす。
「ゆ、いちゃんと、っちーちゃんはっ、ひっく、いっしょ、にっ、探してくれ、たけど……」
『そっか、そっか……。よく頑張ったね。』
嗚咽を堪えながら、必死に教えてくれた美咲を落ち着かせながら、考える。
……どうして、親がいないって言うことだけでいじ めがおきてしまうのだろう。
「お姉、ちゃん……苦しっ……。」
『えっ?……あああ!!ごめん!』
いつの間にか、腕に力を入れて抱き締めていたようで、美咲は私の胸元を押していた。
すぐに離れて、美咲を見つめる。
美咲は泣き止んで、ふふっと笑っていた。
良かった、美咲が笑っている。
そんな姿を見て、何だか私も自然と笑みが溢れる。
『……さ、ご飯食べよっか!今日は麻婆茄子だよ〜!』
「うん…!マーボーナス、楽しみ!」
私は立ちあがり、大きく伸びをしてリビングに向かう。
その後ろからは、美咲もついてきている。
さぁ、やっと夕食だ。
* *
間違えて違う話公開しちゃった←
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柊花-トウカ-(プロフ) - ティラミス信者さん» ありがとー!改行は今検討中なの(苦笑)更新頑張るねー! (2018年11月16日 23時) (レス) id: 1c746f653b (このIDを非表示/違反報告)
ティラミス信者(プロフ) - 続きが気になる!!読みやすいし文の構成もいい感じ!でも改行が多すぎると内容がスカスカに見えちゃうかもだからそこ気を付けて!読ませてくれてありがとー!!応援してるよ!! (2018年10月20日 20時) (レス) id: d109ac88fc (このIDを非表示/違反報告)
Ayame(プロフ) - ひかりさん» ありがとう、読んでくれてほんとありがとう。(笑) (2018年8月2日 18時) (レス) id: 1c746f653b (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 好きでした。ありがとう。あ、私、青い鳥の星月ひかり。ね!好きでした←分かった (2018年8月2日 18時) (レス) id: 1a6872b126 (このIDを非表示/違反報告)
Ayame(プロフ) - 怜衣さん» 当たりです!後に人物紹介を上げようとしてたのを忘れてました…← 棗ちゃんはなんか、酒飲みっぽかったので出してみました(笑) (2018年1月12日 0時) (レス) id: 1c746f653b (このIDを非表示/違反報告)
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