地獄手記事/十九 ページ24
A『─────え』
Aが発することができた声は、その一文字だけだった。
目の前の惨状を理解するのには、時間が必要だったのだ。
ゆっくりゆっくりと地面に倒れていく鬼灯は、同じようにゆっくりゆっくりと目を閉じていく。
同時に赤い血が滴り落ちていった。
ドサリ
鬼灯が倒れ込むと、ようやく状況を理解することができた。
A『あ、は…はは…』
乾ききった口から出たのは、笑い声。
A『あはははははっ…自分から、死んでやがる…!なに、してんだよ…!ばかみてえ……あはははははは、ははは…』
嬉しいはず、なのに、なんで、こうも…なんでなんでなんでなんでなんでなんで…
A『っ…っ!く、そ…がっ…』
涙が、止まらない。
【ア゙ア゙ア゙[死な…な…で、『た、スけ…て』]ア゙ア゙「やだ助けてあげうわああああああァアァァァアて辛いやだ《丁くん》やだ」】
言霊が、嘆く。
呪いの言葉は、意味を持ち、俺を困惑させる。
鬼灯『その言霊はAさん、貴方自身です』
鬼灯の言葉が脳裏をよぎる。
A『ふざ、けんな…誰の…誰のせいで!!誰のせいで俺は…俺はぁあ!!!!っ……ふざけんなよ…馬鹿じゃ、ねえの…?』
震えが止まらない腕を、鬼灯へと運ぶ。
閉じられた目が開かぬことを知っているのに、俺は…
私は。
A「丁…おい、起きろ…起き、て……起きて、よ…丁くんっ……!!!」
懸命に、本当の名を呼んだ。
せめてもの、罪滅ぼしのため、私は呼び続けたのだった。
「ったく、やつも本当に罪作りだよね。こんなに可愛い女の子を泣かせるなんて」
白い白衣の男は右耳につけた飾りを弄りながら呟いた。
「あの子の涙に免じて、今日は停戦。そして、神様の御加護をしてあげようじゃない」
一閃の光が輝いたと思えば、それは一瞬で消え失せたのだった。
77人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ロード(プロフ) - 第二幕楽しみです!!続きが気になります! (2014年4月2日 9時) (レス) id: 8adf4c43ee (このIDを非表示/違反報告)
桜狗鬼 - 第二幕、楽しみにしています (2014年3月26日 12時) (レス) id: 6786725dbf (このIDを非表示/違反報告)
ハート(プロフ) - 良かったです!頑張って下さい!あと私も書いてるんで見てください (2014年3月20日 18時) (レス) id: cc78f0ff97 (このIDを非表示/違反報告)
ヨルノ - 更新楽しみにしています♪ (2014年3月17日 22時) (レス) id: f30c551a70 (このIDを非表示/違反報告)
コマ - 更新が少し遅めですね…。リアルが忙しいのですか?それならば、首を長くして待っております。 (2014年3月15日 10時) (レス) id: f30c551a70 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夏折 | 作成日時:2014年1月27日 19時