【鬼徹】憎しみの欠片【鬼灯】

地獄手記/十六 ページ20

衆合地獄、花街


遊女「ねえ聞いた？なんか言霊に取り憑かれた鬼が鬼灯様と勝負してるんですって」

遊女「どういうことかしら…乗っ取られたっていうこと？怖いわぁ」

？？「…鬼灯？」


甲高い声でひそひそと遊女たちは噂をする。
とある男はそれを聞き逃さなかった。


？？「ねぇ、おねーちゃんたち、その話僕にも聞かせて欲しいな」

遊女「あら、貴方は…」

男はふふっと口角を上げて笑った。





現世、神社

A『勝負は相手が戦闘不能になるまで、殺さないようにするからさ、お前も気をつけてくれよな』

鬼灯「…」

今から鬼灯とAの勝負が始まるのか、義経たちは離れた場所に隔離されていた。
義経は二人と親交があるため、先程からずっと説得を続けている。

義経「Aさん！こんなことをしてあなたは幸せになれるんですか！？やめてくださいこんなことは！！もう！！」

A『すまねえな、義経…でも俺は決めたんだよ…こいつに復讐するってな…！！』

義経「Aさん…」

Aは赤く輝く目を嬉しそうに細める。
そしてひとつ息をつくと、一瞬で顔つきが変わった。


鬼灯「Aさん、はじめるんですか」

A『ああ、じゃあ行くぞ』



そのやりとりを最後に、神社には大きな金属音が響いたのだった。

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