帰宅 ページ14
ぬ「まあ、勝負なんてせんかったがな」
貴「どうして？」
ぬ「あんな奴に負けるなんてこれっぽっちも思わんかったが、勿体ないと思ってな」
貴「『勿体ない』……？」
ぬ「ああ。儂が勝って、あのような強気を奪うのが惜しいからのう」
誤魔化すように笑いながら言う。
実際、誤魔化しているのだろう。
ぬ「それよりもAちゃん、リクオはどうすれば跡を継いでくれるかのう」
しかも話を逸らした。
昔の話よりも今の話の方が大切なのだろうか。
いや、大切なのだろうけれど。
昔の思い出を、『そんなことより』で済ませていいのだろうか。
まあ、おじいちゃんが逸らしたいというのならば、私もその案に乗ることにしよう。
貴「うーん……本当は、私はリクオ君の好きにやればいいと思うんだよね。リクオ君の人生だし、私達がどうこう決めても、駄目だと思うんだよ」
そんなの、リクオ君の人生じゃない。
他人の人生だ。
リ「Aちゃーん」
遠くから、リクオ君が私を呼ぶ声がした。
ぬ「そろそろ帰る時間かい？」
貴「うん。そうだね、もうそんな時間」
ぬ「そうか。寂しくなるが、Aちゃんの顔が見れてよかった。また遊びにおいで」
貴「うん、また来るね。今度はちゃんと夏目君に会って、レイコさんの話をしてあげてよ？」
私がそう言って笑うと、おじいちゃんは困ったように笑って、「ばれたか」と、言う。
貴「ばればれ」
むしろばれないと思った理由が分からない。
ぬ「わかった。次に会った時は、レイコの嫌な話でもしてやろう」
それでも、それだけで夏目君は喜ぶだろうな。
貴「ふふ。じゃ、またね。おじいちゃん」
こうして。
こうして私達は、自分の町へと帰った。
待つべき人の場所へと。
．
．
．
アンケートに答えてくださった、水月楓華さん、白葉さん、玖段さん、にゃんにゃん♪★さん、神威＠ユウさん、チャーミーさん、ありがとうございます。
結果的に、リクオが２票、夏目が５票となりました。
これからはこれを参考にさせていただきます。
結果を報告しましたが、教えてくれたら、投票します。
他の作品ともども、よろしくお願いします。
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
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紗嵐(プロフ) - 126位にランクインしました！ 皆様のお陰です！ ありがとうございます！ (2014年3月13日 16時) (
レス) id: f9f03150e8 (このIDを非表示/違反報告)
紗嵐(プロフ) - こばんさん» ありがとー！ 嬉しいなっ☆ これからもがんばるねっ♪ (2012年8月31日 23時) (レス) id: 4a0538ac6c (このIDを非表示/違反報告)
紗嵐(プロフ) - 和美さん» 私も夏目ラブです！ ありがとうございます！ありがとうございます！ (2012年8月31日 23時) (レス) id: 4a0538ac6c (このIDを非表示/違反報告)
紗嵐(プロフ) - 皐月飛亜さん» ありがとうございます！ とても嬉しいです！ 頑張りますねっ！ (2012年8月31日 23時) (レス) id: 4a0538ac6c (このIDを非表示/違反報告)
紗嵐(プロフ) - 狛夜さん» ありがとうございます！ 頑張ります！ (2012年8月31日 23時) (レス) id: 4a0538ac6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗嵐 | 作成日時：2011年11月12日 17時
