記憶 ページ11
レ「こんな信仰も途絶えた神社で何をしているの?」
妖「……人の子か。こんなところで何をしている」
レ「適当に歩いてたらここに出たの」
妖「お前、俺が見えるのか?」
レ「ええ、見えるわよ」
妖「怖くないのか?」
レ「ぜーんぜん」
妖「変わった奴だな……この傷はなんだ」
レイコさんの右頬にある傷に触れる妖怪。
レ「石を投げられたの」平然と答えるレイコさん。「私は気持ち悪いんだって」
妖「そうか」
目を細め、妖怪は傷に当たらないように頬を撫でる。
レ「優しいのね」
妖「そうでもないさ」
レ「ねえ、私と勝負しない?」
妖「勝負?」
レ「私が勝ったら、あなたは私の子分。私が負けたら――」
ずっとここにいてあげる。
それが意味のある賭けだったのか、私には解らなかった。
もしかしたら意味があったのかもしれないし、意味なんてなかったのかもしれない。
どのみち、結果としては同じなのだから。
レ「じゃあいくよー」
妖「え、ちょっ、ま……」
そんな妖怪の懇願も聞き入れず、レイコさんは自分に触れていた妖怪の腕を取り、綺麗な一本背負いを決めた。
レ「私の勝ち。これであなたは私の子分ね。私が呼んだら、すぐに駆けつけてね」
理不尽なそのかけで勝った彼女の笑顔は、とても――とても綺麗なものだった。
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あずきいろ
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紗嵐(プロフ) - 126位にランクインしました! 皆様のお陰です! ありがとうございます! (2014年3月13日 16時) (レス) id: f9f03150e8 (このIDを非表示/違反報告)
紗嵐(プロフ) - こばんさん» ありがとー! 嬉しいなっ☆ これからもがんばるねっ♪ (2012年8月31日 23時) (レス) id: 4a0538ac6c (このIDを非表示/違反報告)
紗嵐(プロフ) - 和美さん» 私も夏目ラブです! ありがとうございます!ありがとうございます! (2012年8月31日 23時) (レス) id: 4a0538ac6c (このIDを非表示/違反報告)
紗嵐(プロフ) - 皐月飛亜さん» ありがとうございます! とても嬉しいです! 頑張りますねっ! (2012年8月31日 23時) (レス) id: 4a0538ac6c (このIDを非表示/違反報告)
紗嵐(プロフ) - 狛夜さん» ありがとうございます! 頑張ります! (2012年8月31日 23時) (レス) id: 4a0538ac6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紗嵐 | 作成日時:2011年11月12日 17時