吹部と野球部〜青道高校正捕手とトランペッターとの恋物語〜2nd

70小節目 初めて出会った時 ページ46

御幸side

目の前で繰り広げられるバカ(笑)の言い合いを見て俺は

御｢礼ちゃん…。そいつの球俺が受けてもいい？｣



正直、この中学生に興味を持った。

ただ単にあの東さんに楯突くクソ生意気さが気に入った。


東｢コラァ、御幸。1年が出しゃばるんじゃねぇ！｣

御｢ははっ、すいません！…けど東さん最近天狗気味だし…若者とプレーでもして初心取り戻した方がいいかと思って…｣

周りのみんなの顔が青ざめていくのが見える






そんな俺を見て礼ちゃんは俺と初めて出会った時の目で笑っていた。





澪side

まさか、あの御幸が受けてくれるなんて。


私自身野球は好きでルールも分かる。なんならスコアも書けるように努力したくらい大好きなスポーツだ。



でも今の自分の立場はみんなの怪我を悪化させないように、直ぐに応急処置のできる看護師だ。



そんな私でも分かる。
御幸の捕手としてのセンス。
あの沢村くんのムービングがどれほど凄いものなのかも。



ああっ…この2人を引き合わしたの1人が私だと思うとすごく興奮する。


この2人のバッテリーは西東京地区を、もしかしたら全国の舞台でもその名を轟かすと私の本能が言ってる。


ゾクゾクしてきた。


今の自分の立場ってサイコーに美味しいかもしれない






礼side


澪が目を見開いて、笑ってる。
この表情は高校時代何度も見てきた。


この時の澪のテンションはウザイほどに高い。

いや…いつもテンションは高いけど…。





礼｢御幸くん。あなたが受けてくれて助かるわ。あの子面白い球、投げるから…。
だけど本人は『真実の自分 』に気づいていないの…。そのポテンシャル、限界まで引き出してもらえる？｣




目の前の彼は目を輝かせ、そして見開いた。

御｢へぇ…何それ。めちゃくちゃ期待値高けーじゃん！｣




彼は初めて出会った時と同じ目でそういった。

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