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御幸side
朝練が終わり、なぜか倉持と一緒に、教室へ向かう。
昨日の夜、まさか本当に黒沼から電話がくるとは思っていなかったから、正直びっくりしたな。
戻ってきた理由聞いたら、なんだかはぐらかされたけど、結局なんだろうか。
まぁタイミング掴めたら言うって言われたし、
俺に言うのに結構勇気のいる理由なのかもしれない。
「―・・・い、おい、御幸!聞いてんのかコラ!」
「あ、わり。聞いてなかった」
「お前が人の話聞かないの珍しいな。
もしかして、昨日昼休みに話してた1年の黒沼ってやつのことを、ずっと考えてたのか?」
「・・はぁ!?」
「やっぱりな」
まさか、倉持から黒沼の名前がでるとは思っていなかったので、驚いて思わず変な声がでた。
さすがよく周りをみているだけあって、鋭いというか、
ていうか
「お前、そもそもなんで黒沼の名前知ってるんだよ!そこまでいくとこぇーよ」
「いやなんでって。昨日名乗ってんの聞こえたからだよ」
「・・・なんだ。そういうことか。」
まぁ、そうだよな。倉持がわざわざ他人から、知らない下級生の名前聞いたりしないもんな。
「黒沼って子、お前とどういう関係なんだ?
何年かぶりに再会したような雰囲気だったしよ」
「んー、そうだな・・・。幼馴染?なのかな」
「なんで疑問形なんだよ・・」
「小学生のときのある日、偶然近所の河原で出会ったんだ」
懐かしいあの頃を思い出しながら、
気づいたら俺は倉持に、黒沼と出会った当時のことを話し始めた。
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作者名:志乃 | 作成日時:2017年7月12日 0時