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御幸side
5年前
「・・ひっく・・ふえーん・・」
野球の練習の帰り道。聞こえてくる女の子の鳴き声らしきもの。
気になったので、俺は声の元を辿っていくと、河原で泣いている女の子がいた。
「ねぇ、きみ。どうしたの?こんなところで泣いてて」
そう聞くと、驚いた反応をして、こちらを向く。
振り向いたその女の子は、涙でひどい表情をしていた。
でも、俺はその表情をみて、なぜかドキドキした。
「・・・・その・・えっと・・・・」
「あ、いきなり知らない男から話しかけられると、そりゃ困るよな。ごめん。
俺の名前は、御幸一也。俺でよければ、話聞くよ」
「・・・黒沼A・・その・・・大切なもの落としちゃって・・・・。みつからないの・・。」
「それってどんなもの?どの辺りで落としたかわかる?」
「・・・イルカのキーホルダー・・・。多分、この辺りで落としたんだと思う・・。」
「じゃあ、一緒に探してやるよ!」
イルカのキーホルダーか。確かに、小さそうだからすぐには見つからなそうだな。
とりあえず軽く歩いて探す。
そうすると、なにか小さいものが落ちてるのがみえた。
「・・・あ。イルカのキーホルダーだ。
おーい、Aちゃん!探し物って、これであってるかな!?」
「・・・うん、そう!これ!ありがとう!・・・えっと、御幸くん、だっけ?」
「うん!大切なものは落とさずなくさずちゃんと気をつけろよ!じゃあな!」
こうして、Aちゃんとお別れをする。
にしても、探し物みつかったときのAちゃんの顔、とてもいい笑顔で、可愛かったな。
そういえば、名前だけ聞いたけど、学校や学年までは聞きそびれちゃった。
また、会えるといいな
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作者名:志乃 | 作成日時:2017年7月12日 0時