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「おーい、A!」
「あ、一也!」
あのあと、私と一也の間での呼び名も変わった。一也に
『亮介先輩に向けて私のこと"Aちゃん"って呼んだよね。
久しぶりに名前で呼んでもらえて嬉しかったな』
と言ったところ、そのときは無意識に一番慣れた呼び名がでてきたらしい。
"再会したときからもずっとそう呼んでくれてもよかったのに"と言ったら
『そんなの、この年にもなって好きな子の名前ちゃん付けで呼べるかよ、恥ずかしい・・//』
と言いながらまた照れていたので、
"だったら名前呼び捨てでいいじゃん"ということになった。
そして後から聞いたんだけど、一也は亮介先輩に大きい借りを作ってしまったということで、
散々こき使われてるらしい。
倉持先輩は、最初から一也の気持ちを煽るために
亮介先輩があの行動をしていたことに気づいていたみたい。
私もあの後一回だけ亮介先輩に会ってお礼を言ったけれど、
お前は俺にその言葉言わなくていい的なことを言われた。
それと、"もう無理して名前で呼ばなくていいよ"って言ってくれてたけれど、
この呼び方が普通になってしまった私は、今もこうして亮介先輩と呼んでいる。
こうして考えてみると、たくさんの人たちのおかげで
私と一也は一緒にいられているだなと感謝の気持ちでいっぱいになってくる。
私はきっとこの先もずっとこの人しか愛せない。
「ねぇ、一也」
「ん?」
「大好きっ!」
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作者名:志乃 | 作成日時:2017年7月12日 0時