第三十夜 ページ31
自分の名前を叫ぶと、怖い顔をしてこちらに飛びかかってきた。
「そんな怖い顔しないでよ〜......ね?」
パチン、と指を鳴らせば蛇のように石がモルジアナに巻きつき、たちまち身動きが取れなくなった。
「なっ、なんですかこれ!離してください!!」
「んーと、それは私の錬金術っていうヤツだよ。ほら、さっき血ィ垂れたじゃん?それを利用させてもらった」
「そんな説明いいから、離してください!!」
「いいよー私の話を聞いてくれたらね」
だが、そんなことを言われて大人しくなるモルジアナではない。
さっきから、主が私を呼んでいる。命令に逆らうと、どうなるか。モルジアナはそのことを痛みをもって、よく知っていた。
だから、話を聞いてるヒマなんてない。
モルジアナの頭の中は、焦りと恐怖で埋め尽くされていった。
「早く私を離してください!!......じゃないと私、どんな目にあうか......!」
そう言うと、目に涙を浮かべた。
「.........ねぇ、モルジアナ。なんであんなヤツに従う必要があるの?
アイツが"主"だから?
逆らうのが怖いから?
わからないから?
それとも.........
そこにしか、自分の居場所がないから?」
ハッ、とモルジアナが顔を上げた。
「君の居るべきところはそこじゃない!
本当の居場所はどこだ!?モルジアナ!!」
そう叫んだのが引き金になったように、遠くから眩しいほどの光が輝いた。
それと同時に周りにあった石のガラクタが、金銀財宝になっていく。
「(なにコレ!?なにがあったの!?)」
そして、塔を突き破り姿を現したのは
「誰だ?.........王になるのは......?」
静かに、厳かな声で、青い肌の巨大な老人は、そう言った。
11人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
推しは最強☆! - オモロイ (2020年8月20日 16時) (レス) id: 11099bdacf (このIDを非表示/違反報告)
ガラスペン - おもしろいです! 更新頑張ってください!! (2014年12月9日 1時) (レス) id: 2f7b2271fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:野生ミント x他2人 | 作成日時:2014年6月16日 11時