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story 019. ページ20

「はぁ・・・はぁ・・・」

さっきより乱れた呼吸で肩を上下させながら

先ほどいた段に腰をかける。

やっぱり、あの女はクロロの知り合いだったんだ。

知り合いより、深い関係なのは見て取れた。

でも、なんで嘘ついたんだろう。

膝を抱え込みながら顔を伏せると、

バシャバシャと水音が聞こえてきた。

それは徐々に大きくなり止まった。

クロロかと思い顔を上げると、いるはずのない人が立っていた。

「フェイタンに・・・フィンクス」

「A、団長は?」

「・・・車取りに行ってる」

「あれ、でもお前の持ってるやつ車の鍵じゃねぇの?」

「ほんとね。なんで届けにいかないか」

「だって・・・」

何から説明すればいいのかわからない。

一番わからなくなったのは目頭が熱くなり視界がぼやけたことだ。

「うっ・・・くっ・・・」

雨と涙が混ざり、大粒となった水の塊が頬を伝っていく。

「何で泣いてんだよ!」

フィンクスは私の嗚咽を聞き焦ったのか大声を上げた。

ビクっと肩が震え目を袖で擦った。

「フィン、大声上げるな。きと色々あたのよ、私達が来る前に」

そう言いながら隣に腰を下ろし、フェイタンは私の背中を摩ってくれた。

フィンクスは頭をポリポリと掻いた後、

「さみぃし、団長んとこ行ってくるわ」

そういって私の手から車の鍵を拾い上げ、雨の中を歩き出した。

「落ち着いたか」

「うん、もう大丈夫。ありがとう」

私の背中を摩っていた手は無くなり、フェイタンはポケットに突っ込んだ。

「確かに寒いね」

「そうかな」

「お前、寒くないのか」

「んー、なんとも感じない」

その言葉を聞き、フェイタンは私の手を握った。

「冷たい・・・、お前いつから外にいるか」

「一時間ちょっとかな・・・」

「ハっ・・・お前馬鹿ね、ほんと」

どこから出したのか、赤い傘が視界に入り

肌に雨が当たらなくなった。

ポツポツと傘に雨が当たる音が聞こえる中、

私とフェイタンはずっと手を握っていた。
 
 
 
 

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もも水(プロフ) - 畜生アダルトリオ可愛いな畜生さん» ありがとうございます!!更新…がんばります( ; ; ) (2015年7月16日 20時) (レス) id: a9d48669b2 (このIDを非表示/違反報告)
畜生アダルトリオ可愛いな畜生 - うおぉ……シャル君えげつない…!!(((そこもまた可愛いけど★(((((更新頑張って下さい!!もう全力で応援してます!! (2015年7月15日 23時) (レス) id: 6ae8615bc3 (このIDを非表示/違反報告)
もも水(プロフ) - カトルさん» ありがとうございます(;_;)更新が遅れていますが、よろしくお願いします! (2014年11月20日 19時) (レス) id: dab8882af7 (このIDを非表示/違反報告)
カトル - とても面白いです!更新頑張ってください!! (2014年11月15日 21時) (レス) id: 268f32aa7e (このIDを非表示/違反報告)
もも水(プロフ) - ロックさん» 返信遅れてすみません;; 見てくれて感謝です(^-^) これからもお願いします♪ (2014年10月9日 0時) (レス) id: dab8882af7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もも水 | 作成日時:2013年12月26日 3時

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