マチノソラ9

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「柊木さんお疲れ様でしたーっ！！」


皆で缶ビールを合わせるのは会議室

大阪に帰る柊木さんを送る会だ。


「まさか会社でビール飲む日が来るとはなぁ」

「時代ですねぇ」

「僕柊木さんと働けてよかったです！」


プロジェクトは、自粛期間にぶつかって色々あったものの無事に終わった。


「大阪きたら美味いもん食わしたるし遊びきぃや？」

「行きます！絶対行きます！！」


今にも泣きそうな男子社員を横目に須藤はいつもみたいに静かに飲んでいて、若手のくせに貫禄がある


「ナイトはこれからもナイトしっかりな。」

「最後までナイトなんすね俺」

「あははは自覚あるやろ？」

「…………」

「若いんやからお前はもっと冒険したらええのに」

「…………」

「冒険ってなんですか？」


二人の話に入っていけば、んー？と優しい顔を向けられた


「若いくせに守りに入りすぎって話。」

「須藤が？」

「まぁ頭ええから先まで読みすぎるんやろうけど」

「ふぅん？」

「瀬野はもうちょっと守りに入りなさい。」

「ゔっ、、」

「あはははは。まぁええコンビよな」

「向こう行ったらしばらく大阪ですか？」


須藤が言いながら二本目を柊木さんに渡す


「んー多分な。何、遊び来る？」

「行こうかなぁ」

「おっ、何やかわいいとこあるやん須藤！」

「ひぐらし続編見たいっす。」

「お前それが目的かっ！可愛くなっ！」

「あははははは！須藤らし〜」


コンビニの摘みを齧る須藤は楽しそうに微笑んでいて須藤と柊木さんも中々良いコンビだったよなぁと思う


「瀬野もありがとうな。楽しかったで。」

「ありがとうございます！私やっぱり柊木さん大…」

「ん？」

「…いや、柊木さんと仕事できて、色々学べました、ありがとうございました」

「おう？せやろせやろ」


須藤が枝豆の皮を置きながら伏せ目で微笑んで、
その顔がすごく優しかった


柊木さんは男子3人の方に行って、ついに泣き出した一人の肩を抱いて話しだした






「成長しましたねAさん」


「…私、今まで気づかないで色んな人傷つけてきたのかなぁ…」


「どうですかねー…でもいいんじゃないっすか？
今気づいたんなら今から変わればいいんですよ。
過去は過去っす」


「……そっか」


「もしそうだとしても、あとは相手が自分で何とかするしかないっすからね。変に罪悪感感じて背負い込むことはないっすよ。」


「…ありがと。」


「いーえ。」


「……あっ。」


「何すか？」

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