検索窓
今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:22,802 hit

鬼さん、こちら(あろ)3 ページ26

「ダイスケちゅわ〜ん、ちょっとお話いいかな〜?」

「?!っおい、マコト!離せ!」

クソ、馬鹿力め。
早々に抵抗を諦めて、されるがままにマコトについて行く。
たどり着いたのは、

「...このクソ暑いのに屋上かよ」

絞り出すように悪態をつけば、マコトは「まあまあ!」なんて言いながら俺を屋上へ押し込める。


「あ、ダイスケ君いらっしゃい」

まだ残暑の厳しい日差しが照りつける中。
そこには、Aの姿が。...耳と尻尾のある、Aの姿があった。


「...それって」

「私は妖狐。マコト君と違って誰にも言ってないけど。」

「Aは完全に隠せるからだろ。俺は緊張したり触られたりするとバレバレだからしゃーないやろがい」

...あぁ、なんだ。

「マコト君は黙って!」

「はい」

「ダイスケ君、マコトが無神経でごめんね?」

Aは困ったように笑いながら、俺にそう言った。
コイツらも、同じ...。


ーーーーー

私達はそれぞれ、私達(人外同士)ですら気付けない悩みを持っている。何もかもを拒絶するダイスケ君は、あの頃の私とマコト君のようだった。

ダイスケ君を放っておけなくて、無理にでも屋上(陽の当たる場所)に連れ出して。どうすれば良かったのかは、今でも正解は分からないのだけれど。


「...ほんっとに無神経だよな、マコト。俺とAを見習って、もうちょっと繊細さを身に付けろよ。」

ダイスケ君のその言葉は、これはきっと正解だったんだろうと思うには充分だった。

ーーーーー


「あろまは今でも素直じゃないよね〜」

「は?お前になんか不都合でもあんの?」

「別にないでーす。」

「昔のお前のが可愛げがあったのになぁ」

「...ダイスケ君は今の方がまだ素直で可愛いかな」

「...名前の不意打ちやめろや...」

>>>>

3話に跨いだ!なっが!
タイトルは、「日陰に閉じこもる鬼を、陽のあたる場所へ連れ出す」という意味を込めてつけました。
ろまの性格はわりと簡単に捻り出せましたね。タイトルもすぐ決まって、そっから考えたので。
出会いのお話なので簡潔に〜と思ってたのにこの始末...まあ書きたい描写が書けたのでOKです。

暗く閉じた世界から1(えお)→←鬼さん、こちら(あろ)2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (22 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
64人がお気に入り
設定タグ:MSSP , 人外パロ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:名無しの夢女子 | 作成日時:2019年1月8日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。