鬼さん、こちら(あろ)3 ページ26
「ダイスケちゅわ〜ん、ちょっとお話いいかな〜?」
「?!っおい、マコト!離せ!」
クソ、馬鹿力め。
早々に抵抗を諦めて、されるがままにマコトについて行く。
たどり着いたのは、
「...このクソ暑いのに屋上かよ」
絞り出すように悪態をつけば、マコトは「まあまあ!」なんて言いながら俺を屋上へ押し込める。
「あ、ダイスケ君いらっしゃい」
まだ残暑の厳しい日差しが照りつける中。
そこには、Aの姿が。...耳と尻尾のある、Aの姿があった。
「...それって」
「私は妖狐。マコト君と違って誰にも言ってないけど。」
「Aは完全に隠せるからだろ。俺は緊張したり触られたりするとバレバレだからしゃーないやろがい」
...あぁ、なんだ。
「マコト君は黙って!」
「はい」
「ダイスケ君、マコトが無神経でごめんね?」
Aは困ったように笑いながら、俺にそう言った。
コイツらも、同じ...。
ーーーーー
私達はそれぞれ、
ダイスケ君を放っておけなくて、無理にでも
「...ほんっとに無神経だよな、マコト。俺とAを見習って、もうちょっと繊細さを身に付けろよ。」
ダイスケ君のその言葉は、これはきっと正解だったんだろうと思うには充分だった。
ーーーーー
「あろまは今でも素直じゃないよね〜」
「は?お前になんか不都合でもあんの?」
「別にないでーす。」
「昔のお前のが可愛げがあったのになぁ」
「...ダイスケ君は今の方がまだ素直で可愛いかな」
「...名前の不意打ちやめろや...」
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3話に跨いだ!なっが!
タイトルは、「日陰に閉じこもる鬼を、陽のあたる場所へ連れ出す」という意味を込めてつけました。
ろまの性格はわりと簡単に捻り出せましたね。タイトルもすぐ決まって、そっから考えたので。
出会いのお話なので簡潔に〜と思ってたのにこの始末...まあ書きたい描写が書けたのでOKです。
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作者名:名無しの夢女子 | 作成日時:2019年1月8日 22時