はじめましての時(FB) ページ21
これは、
※お名前捏造注意、PLANET(小説)から輸入
俺がAと出会ったのは、小学生の時だった。
ーーー
ある日転校してきた彼女には、狐の尻尾と耳があった。
その容姿と
それどころか、毎日のように、
「...ひっく...ぐすん...」
(今日も泣いてる...。)
目を赤くして、俯き気味に歩く彼女。
尻尾には、何かのインクのようなものが付いている。
僕が彼女のことをずっと気にしているのは、僕も彼女と同じ
だからこそ、彼女を見ているのは辛かった。僕は卑怯なんじゃないかって罪悪感に苛まれた。
そんな苦しさから目を背けるように、疎外される彼女を見て見ぬふりしていたんだ。
ーーー
僕にとって平和な日常がまた数日過ぎたある日。
「痛い!痛いよ!離してよ!」
下校途中、通りかかった公園から彼女の声が聞こえた。
「やっぱ取れないんだな〜、これ、生えてんだな!」
「うわぁ、気持ち悪い!」
そんな罵声が聞こえてきて、恐る恐る茂みの影から声のする方を覗くと、学校でも有名なガキ大将と取り巻きが彼女を囲んでいた。
彼女は必死に、耳を伏せ、自らの尻尾を抱き締めている。
「なぁ、取っちまおうぜ!血が出るのかな?」
「嫌!やめて!」
彼女の叫びに、いてもたってもいられず、体が勝手に動く。
「おい、やめろよ!」
茂みから飛び出して全力で走り、彼女を庇うように割って入った。
「なんだお前、隣のクラスの根暗じゃん。」
「俺達に逆らうのかよ!」
口々にそう言う彼ら。ちらりと後ろを見ると、涙目で僕を見上げる彼女。
「この子がお前らに何かしたのかよ!そういうのやめろよ!」
自然と口をついて出る言葉。不思議と怖くはなかった。
「何だと!根暗のくせに生意気なんだよ!」
ガキ大将が僕に殴り掛かろうとした、その瞬間。
「うわっ?!」
氷の壁が、僕とガキ大将の間にそびえ立った。
透き通った氷の壁越しに、ガキ大将の驚いた顔が見える。
「お、お前もバケモノなのかよ!」
ガキ大将は怯んだ様子で後ずさりした。
「...そうだよ、僕は雪男。凍らされたくなかったら、もうあっち行けよ。」
「...!バケモノ同士勝手にしろ!」
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作者名:名無しの夢女子 | 作成日時:2019年1月8日 22時