尾行(MSSP) ページ12
※モブ♀注意
FBの衝撃の報告がきっかけだった。
「あろまがデートぉ？！」
「うん、なんか親の紹介？とかで。今日相手の子と会うんだって」
「まじか...あいつにも春が...」
「いやぁ、それが、あろまは全然乗り気じゃないんだよ。親の顔を立てるためにも１回は仕方なく会うって感じ」
「なーんだ」
「そこで！皆であろまを尾行しようと思ってます！Aちゃんも来るよね？」
「はぁ？！悪趣味な...」
ーーーーーー
えお「で、結局来たんだ」
「しょーがないでしょ、気になっちゃったんだから」
私達は今、物陰に隠れてあろまの背中を追っている。4人で追ってるわけだから、バレないように細心の注意を払わないと...
FB「おっ、あの子じゃない？」
FBの指さす先には、小柄な女の子。
K「うわあ、あれあろまの嫌いなタイプじゃん」
遠くて会話は聞こえないが、会って早々に腕を絡め、ベタベタとくっついている。
「あろま、露骨に嫌な顔しててウケる」
FB「鬼かよお前。あ、鬼は
普段何かとからかってくる上に、全然仕返しできないのだ。嫌がるあろまを見るのは気分がいい。
えお「お前、すっげーゲスい顔してるぞ今。悪い狐の顔」
「あっ、移動する！」
女の子はあろまとがっちり腕を絡めたまま、2人は歩き出した。
「バレないようにね！」
FB「一番ノリノリじゃねーか」
ーーーー
2人は喫茶店に入ると、向かい合って座った。
最初、女の子はあろまの隣に座ろうとして一悶着あったんだけど、あろまがめちゃくちゃ拒絶して結局向かい合う形で落ち着いたようだ。
私達も同じ店に入り、あろまの死角になる席につく。
「あ、パフェください」
K「Aちゃん、よくこの状況で食うね」
「いやぁ面白いね」
2人が出会ってからこの喫茶店に入るまで、ちらりと見えるあろまの顔はみるみる般若みたいになっていってて、今ではすっかり無表情になっていた。
女の子の方は気付いているのかいないのか、ベタベタを止める様子はなかった。
えお「あろま、ずっとスマホいじってんな」
FB「でも相手の子全然めげないね...」
ピロロン
私たちのスマホが一斉に鳴る。
全員が反射的にスマホを取り出すと、グループトークにメッセージが入っていた。
あろま:見てないで早く助けろ。
ギョッとしてあろまの方を見ると、ちらりと振り返って不気味に笑うあろま。
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作者名：名無しの夢女子 | 作成日時：2019年1月8日 22時
