もしも、あなたと(MSSP) ページ15
「異種族間でも、子供は作れるぞ。」
FBの唐突な発言に、反射的にグーで鳩尾を殴ってしまった。
「ぐふぇ...全力ゥ...」
「ごめん、つい」
「なーにカマトトぶってんだよ女狐ちゃん」
あろまがからかってくるけど、こっちは反撃が怖いのでスルー。
別にカマトトぶってないよ、バカ吸血鬼め。
「んで、どうしたの突然。人間にでも恋したか?」
えおえおがFBに問いかけると、FBは何故か偉そうにふんぞり返って「俺に恋なんてあると思うか?!」と言った。
「違くてさー、
咄嗟に、鳩尾パンチ。
「ぐうぇ...」
「そりゃーFBが悪いわ」
あろまがFBに蔑んだ目を向ける。
「でも俺も興味ある!異種族間の子供ってどーなんの?!」
きっくんはノリノリで、身を乗り出してFBに問う。お前もあとで殴る。
「ふふーん、お前ら、心して聞けよ?別に、子供が必ずしも人外になるわけじゃない!まあ俺らの親が人間であることを考えると、血統ってわけじゃなくて突然変異だからな」
「へ〜」
あろまが興味無さそうにスマホゲーをやりながら相槌を打った。
「まだわからないことは多いらしいんだけど、今の所は『異種族間でも子をなすことは可能』だと」
「そうなんだ〜、じゃあもし誰かを好きになっても安心だよね、まあ、ちゃんと恋愛できれば、だけど」
きっくんが少し寂しそうに笑う。
「心配しなくても、私があんたらとどうこうなるなんて有り得ないから安心しな」
それに気付かないフリをして4人にそう言い放つと、「はい、この話は終わり」と、話題を変えるよう促す。
「別にさ、」
あろまがゲームをする手を止めて、こちらを向いた。
「例えば俺がお前を好きだとして、お前がえおえおやきっくんと結ばれたとしても、それで疎遠になったり友達辞めたりしねーよ?」
思いもよらない真剣な眼差しに言葉を失う。
他の3人も、「そうだな」なんて同調している。
何て言っていいか分からずに沈黙していると、「例えば、って言ったろ?ちんちくりんの狐は恋愛対象じゃないから安心しろ」と、あろまが再びスマホを手に取りながら言った。
「だ、れ、が、ちんちくりんじゃ。私だって優しさを忘れたクソ鬼さんは恋愛対象外です!」
お茶をずずっと啜ってそう言えば、「Aちゃん、言うねぇ〜」ときっくんがケラケラ笑った。
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絶対好きやんけこんなん、って書いてて思いました。
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作者名:名無しの夢女子 | 作成日時:2019年1月8日 22時