あの女 ページ19
だが放り出された当の本人が1番驚いている様子。
ジュビアの独壇場と言っても過言では無い水中から彼女を追いやったのは、
残されたのはミネルバとルーシィだけ。
なんだか変に胸がざわつく。
『ここで5分間ルールの適用です。今から5分の間に場外となった方は最下位となってしまいます』
「なんだそれ」
「そのルール必要なの?」
「試合を盛り上げるためだろ」
「不必要な余興」
ここにいたチームの全員が声を揃えて不満の声をあげた。
その瞬間。
「きゃあああ!」
甲高い悲鳴が場内に響き渡る。
その声の正体は紛れもなく水中にいるルーシィから出た悲鳴だった。
さっきまで空気のように静かに気配を消していた女が突然次から次へとルーシィに攻撃を仕掛けていく。
まるで弄ぶかのように。
今までちゃんとした戦闘を見た事がないからミネルバという女の魔法がどのようなもなのか誰も分からない。
普通の人なら耳を塞ぎたくなるような痛々しい悲鳴と目を閉ざしたくなるような悲惨な光景。
盛り上がっていた観客も徐々に事の重大さに気づき始めたのか、ザワつき始める。
残り時間が1分をきった時、急にミネルバの攻撃が止まった。
そしてそのまま追加ルールの5分は過ぎ去った。
「もういいだろ、ルーシィは外へ――」
仲間の誰かがそう口を開いた時
「きゃあああ!!!!」
先程とは比にならない大きな悲鳴が会場に響き渡った。
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作者名:梅水晶 | 作成日時:2022年12月31日 16時