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葵夜「その代わり、悟の持ってる翡翠は返してもらうよ。」
雌黄色の翡翠。
純銀で装飾された呪い付きのネックレスだ。
ポケットに入れていたのにも拘わらず隠している事を見抜かれた五条は、声を漏らして笑った。
五条「脅迫用に使おうと持ってきたのに、逆にこっちが脅迫される事になるとはね」
ポケットからネックレスを取り出す。
当たり前のように腕を回し、引き輪を外して葵夜にかけた。
その様子を腕を組みながら見上げる。
葵夜「…悟そんなキャラだっけ?」
五条「ぎくっ」
学生時代は随分ヤンチャしていた五条。
生意気なその青春時代を知っている葵夜を前に、この対応はやはりクサかっただろうか。
虎杖「ヒスイ?何それ」
首を傾げて五条を凝視する葵夜の後ろで、虎杖が立ち上がって問う。
すると黙って虎杖と葵夜の再会を見ていた伏黒が、ようやく口を開いた。
伏黒「特級呪物”雌黄翡翠“。宿儺の呪いが込められた加護品だ。五条先生、こんなの勝手に持ち出して、タダじゃ済みませんよ。」
五条「いや大丈夫でしょ、これ僕のだし。」
伏黒「五条家が保管してるだけでしょ。」
五条「…葵夜!使い方は間違うなよ!」
伏黒「(絶対そこまで考えてなかったな…)」
ビシィッと葵夜の眉間を指差す五条。
どうやら本当に葵夜を解放したかっただけのようだ。
さすがに私情を挟みすぎな気もするが、言い訳が理に適っているため何も言えない。
虎杖「それ付けるとどうなんの?」
葵夜「兄様に聞いて」
虎杖「投げやり!」
そんなことより。
と虎杖の言葉を遮るようにして振り返った葵夜。
その目線は伏黒の方を向いていた。
伏黒「!」
葵夜「名前聞いてなかったね。………禪院何君?」
伏黒「…禪院じゃねぇよ。」
葵夜「あははっ、嘘言わないでよ。だって十種影法術は禪院家相伝の……………待って、冗談キツいって、さとる…」
五条「葵夜は運が良いね。」
先日の夜伏黒に言ったセリフのように、にやにやと口角を上げ葵夜に言い放つ五条。
葵夜は困惑し、その瞳に慕情と切情を映した。
伏黒「伏黒だ。伏黒恵。」
葵夜「…………そっ…か。よろしく!私は葵夜。」
伏黒「よろしく」
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佐藤ななな(プロフ) - [アイク・ブルームーン]アイおっとりさん» ありがとうございます!!待ってくれてるって知ったら更新頑張れちゃいます!! (2021年8月26日 7時) (レス) id: e714be63a8 (このIDを非表示/違反報告)
[アイク・ブルームーン]アイおっとり(プロフ) - 面白いです!更新待ってます! (2021年8月25日 23時) (レス) id: 466201e21a (このIDを非表示/違反報告)
佐藤ななな(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます…!!読者さん読んで超良かったって言って貰えるなんて幸せすぎるよー!!応援ありがとうございます!頑張ります!! (2021年8月22日 17時) (レス) id: e714be63a8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 面白いです!応援しています!読んで超良かったと思いました!これからも頑張ってください! (2021年8月22日 17時) (レス) id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐藤ななな | 作成日時:2021年8月18日 21時