嘘の塊〜【黄瀬・青峰・赤司】完

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けど

私に何があったか...

あなたには関係ないし
あなたに何があったかも
私には全く関係ない。



私は誰にも言うつもりはない。



これ以上
この人に踏み込むと
後戻りできなそうな気がした。




私は布団に潜って目を閉じた。



黄「Aっち、
誰かを好きになった事あるっスか？」




布団に潜っている私に言う。



分からないのだろうか？
私はもうあなたと話したくないのが...



黄「オレ、誰かを好きになった事って
今まで一度もないんスよね。

恋とか愛とかホントくだらねー

オレを好きだって言う奴らは
ホントのオレなんか
何一つ知らないんスよ？

好きなんて嘘ばっか...

ただオレの彼女って
肩書きが欲しいだけ。

オレに抱かれた事を
周りのみんなに自慢したいだけっス。

だからオレは要望には応えるけど
絶対好きにはならない」


なぜこんな事を私に話すのか。

分からないけど...


ただきっと

誰かに話を聞いて欲しかったんだと思う。




黄「オレ誰も信用してないんス。
誰もオレを本気で見てくれない。

ただ見た目だけ...の男
イメージが崩れりゃ
きっとみんな去っていく。

女の子には優しくて
女の子の誘いは断らない
イメージ通りの男を演じてる」


そんな努力無意味でしかないよ



貴「誰かを好きになる事...
私には一生無い。

私は恋をしない。
そんな感情はとっくに捨てた。

あなたも無理に恋なんか
する必要無いと思う。」




私は布団から出て
黄瀬涼太の顔を見て言った。



恋なんかする必要ないよ？

誰かを好きになる必要もない。
いつか必ず壊れるんだから。


だったら...
ずっと一人の方が傷付かないし
誰も傷付けずに済むんだから。





黄「一人って寂しくないっスか？」





私の目を見て言った。




貴「寂しくないよ。
むしろ...一人がいい。
今すぐにでも一人になりたい」



だから出てってよ...



黄「そんなん嘘っスよ。
一人が寂しくない人間なんていない。

オレは寂しいっスよ...
だから、みんなが離れて行かないように
みんなの理想を演じて繋ぎ止めてる」



貴「そんなの意味無いよ。
嘘で誤魔化したところで...
意味は無い。

壊れるのは一瞬なんだから。
だったらそんな努力しなくていい」




構いたくないのに...
そんな事しても意味は無いって...
ムキになってしまう私がいる。






黄「だったら...
なんでそんな瞳してるんスか？

ホントは誰よりも寂しい
誰かに助けてもらいたい

そう訴えてるように見えるっス」

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