嘘の塊〜【黄瀬・青峰・赤司】完

story22 ページ22

貴「だったら...何で...
青峰君と...？」


青「分かんねーのかよ...
寂しいからだろ」


貴「全然...分かんないよ。
だからって...愛してる人がいるのに
他の人とキスとか...分かんない」


青「じゃーお前はどうなんだよ
逆に好きでもねー男に
抱かれてんじゃねーか。

お前も寂しいから求めてんだろーが
やってる事...一緒なんだよ」



そうだ...
私も...寂しくて...
誰かに求めてもらいたくて

黄瀬君に抱いてもらってたんだ。
先生と...やってる事は同じ...


でも...不倫だよ...
私と同じ想いを味わって欲しくない。




貴「青峰君の言う通り...
だから私に...否定する資格はない。
けど不倫だけは...見逃せない」


青「結婚してるかしてないかだけの差だろ。
結婚してない奴なら許されんのかよ」


貴「...そうだよ。
結婚してなきゃまだ許されるよ。
自分と相手だけの問題だから...

結婚してたら...二人だけじゃない。
旦那さんだって...親だって
何よりも子供が一番の被害者になる...」




子供が...被害者になるんだよ...
不倫の子供だって...


青「だったら...ほっとけっつーのかよ」


貴「愛していて別れるつもりもないなら
旦那さんに...ぶつけるしかないんだよ...
寂しいって...。それしか...」



青「...おい...。

何でお前が泣いてんだよ...
意味分かんねー...」



青峰君が私を抱き締めようとした...


貴「...触らないで。
不倫だけは...許せない...」


青「何で...んな震えてんだよ...
ちゃんと分かるよーに話せ」



この事は誰にも言うつもりはなかった。
誰にも知られたくなかった。

知られたら...
また同じようになる気がしたから


だけど...先生の子供を救えるなら
一人でも私と同じ想いをする人が減るなら...




私は全てを青峰君に話した。



話していると鮮明に思い出すあの光景。


校門をくぐるのが怖かった。
教室に入るのが怖かった...
学校のみんなが...先生が怖かった。




青「悪りい...
辛え事思い出させちまったな...
そこまで俺...考えてなかったわ。

お前が誰も愛さねぇとか
必要としねぇとか...
そーゆー過去があったっつー事か。

...何も罪のねー子を
傷つける訳にはいかねーよな...」



貴「...青峰君は...先生が好きだったの？」



青「...好きとはちげーな...
ただほっとけねーっつーか
誰かに求められたのが初めてだった」





青峰君も...きっと
誰かに求められたかったんだ。




人間誰しも孤独の中にいるのかもしれない。

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