嘘の塊〜【黄瀬・青峰・赤司】完

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貴「私、もう帰っていいですか？」


赤「あぁ。構わない」





今すぐにでもこの場から...
離れたい。






私は早足でその場を立ち去る。




青峰大輝...
さっき話したのが初めてで...
もちろん私の過去を知るはずもない。


私...そんな顔してるんだ。
自分では平然な顔してるつもりだった。





私は可哀想な人です...か。






私...もしかして

無意識に誰かに助けを求めてた...？





この暗闇から抜け出したくて...

この孤独から引き出して欲しくて。





いや...違う。
それは認めたくない...



認めてしまったら...
今の自分を保てない。









グイッ




黄「待って！大丈夫っスか...？」

貴「何が...？」



分かってる。
私を心配して来てくれたって...



黄「いい加減...強がるのやめないっスか？

オレの前では...ありのままでいいっスよ」





黄瀬君とはただの...

所詮...体だけの関係。





深入りしたら抜け出せない。




貴「黄瀬君。
私もう、あなたに抱かれなくて大丈夫。
私たちの関係は終わり。

あなたとは友達でも...何でもない」




私は黄瀬君の腕を払ってまた歩き出す。





黄「...なんスかそれ？
Aっちにオレは
もう必要じゃないって事っスか？

じゃーオレはどーなるんスか？

オレにはまだ...Aっちが必要なんスけど」






黄瀬君には、私以外にも
必要としてくれる女がたくさんいる

そして自分が輝けるくらい
熱中できるバスケの存在があって





私が必要？



そんなはずない。



ただ私が黄瀬君をあの時必要としただけ。




私たちは愛し合ってたわけでも
何でもない。









貴「黄瀬君には私は必要ないよ」


黄「...それ、オレが決める事っスけど」






黄瀬君はいつの間にか私の目の前にいて



呆然と見上げた私の唇にキスをした。






何度か黄瀬君とは
体を重ねて来たけど...


キスは初めて。
キスは愛情の表し...

だから私たちの関係には必要なかった。




黄「...オレにキスされても
まだ何も感じないっスか？」


私は何も答えなかった。


黄瀬君が私の手を取り...
黄瀬君の胸元にあてた。



黄「感じるっスか？
オレの心臓の鼓動...

オレは今スゲードキドキしてる

キスだけじゃないっス。
Aっちを抱いてる時も...
胸が熱くなって
ドキドキが止まらない。

初めてなんスよ...こんなの。

これが人を愛する事だって...
オレ分かったんス...

オレにはAっちが必要なんス」

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