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竹中半兵衛/If・・・ ページ4

(「ミヤコワスレの恋」番外編。
 本編のアドレスは、トップページに載っています。)

※殆ど三成のターン!

「失礼致します。
 兄上、お願いしたき私議がございます。」
そういって私は、兄―――石田三成に向き合った。
ちらり、それとなく視線を上げ表情を窺ってみると、彼の吊り上った眉が、ピクリと動いた。
何やら嫌な予感がしたのだろう。
「…何だ」
声がやけに静かだ。
すうっと息を吸い込む。
兄には今まで、こうしていろいろなことで駄々をこねてきた。
この前だってこうして稽古をつけてもらったのだ。
なれば、今回だって……!
「兼ねてから私には、思いを寄せていた男子がいました。
 このたびは、その方と祝言を挙げたいと得て、」
「貴様ぁっ!」
ああ、やっぱだめか。
それにしても、即答とは。この野郎!
いや、むしろここまで話せたことが奇跡か。
だって私には…。
「貴様には既に同盟の際に他家に嫁ぐことが決まっている!
 半兵衛様の意に背くとは、豊臣から離反する気では無いだろうな!?
 そんなことは許可しない!
 もちろんその話も断じて認めない!」
あー。こんなに私に対して激昂する兄の姿はいつ振りだろう。
たしか、まだ幼い時、一緒に鍛錬をしていて、私が勝って仕舞ったとき以来ではないか。

飄々とした声が聞こえたのはその時だった。
「治部少輔の許しが出ないことには、さすがに苦しいものがあるね。」
開いた障子からひょっこりと顔を覗かせたのは、やはりというかなんというか、半兵衛様だった。
「…っ!半兵衛様!」
兄の驚いた声が隣から聞こえる。
それに反しジト目で見上げる私に、半兵衛様は麗らかにはにかむと、兄の前にそっと膝をついた。
「妹さんをください、三成君…いや、義兄上(あにうえ)。」


その日、夜も更けたこの大阪城では、石田三成の悲鳴と、二人の初々しい夫婦の笑い声が響いたという。

生涯、竹中半兵衛は、一人しか妻を持たなかったと言う。

前田利家/偽る→←竹中半兵衛/恋慕の情ならいざ知らず



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設定タグ:戦国BASARA , 恋愛 , 小石の方   
作品ジャンル:恋愛
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希望(プロフ) - 失礼します!リクエスト、させて下さい!良かったらですが、政宗様のお話をリクエストしたくて…学バサの方でリクエストしてもよろしいですか!!? (2017年6月8日 19時) (レス) id: f217a178dd (このIDを非表示/違反報告)
椿(小石の方)(プロフ) - 舞姫さん» はい!了解です。前の黒丸様と順番がゴチャゴチャになってしまうかもしれないのでご了承下さい。 (2017年4月1日 12時) (レス) id: 2a1e88c7e9 (このIDを非表示/違反報告)
舞姫 - リクエストでーす!えっと……竹中半兵衛様。明智光秀様を、出来たらでいいので、お願いしま~す。 (2017年3月25日 10時) (レス) id: f50ff2d6e1 (このIDを非表示/違反報告)
椿(小石の方)(プロフ) - はい!返信遅くなり申し訳ございません!別々で作らせていただきます。何かあればまた仰ってください (2017年3月23日 0時) (レス) id: 2a1e88c7e9 (このIDを非表示/違反報告)
黒丸 - リク良いでしょうか。弁丸、梵天丸、アニキお願い致します。 (2017年3月19日 22時) (レス) id: 892b25096f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:椿(小石の方) x他1人 | 作成日時:2016年6月27日 18時

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