【戦国BASARA】恋愛短編集

島左近/将来有望出世株（斑鳩様リクエスト） ページ18

「Aさ〜ん」
俺の呼びかけに、Aさんは振り向いた。
「ああ、左近君！賭場にはいかないの？」
そうやって首を傾げるAさん。ッくそ年上の癖に可愛い。
「や、行きたいんすけど、前に三成様にばれた時、左近を誘ったのは貴様らかぁああ！て、賭場 で凶王しちゃいまして、俺出禁…。豊臣の兵はもう三成様の怖さを知ってるから構ってくれねぇ し。まる三日、博打できてないんすよ」
三日でそんな、てAさんは笑うけど。
「刑部さんならやってくれるんじゃない？」
「いや、刑部さんただ俺の不幸そうな顔見て笑うだけでして。
　それに俺あの人に勝てる気が…。なんつーか表情見えねーし
　…って、Aさんとすりゃあいいじゃんか！」
「や、何で！？」

暫くして、Aさんと俺の間には、賽子の入った手籠が一つ。
此処は勝っていいところを見せたい。といっても、二人だから同じものにかけたって面白くない.
「う〜ん、じゃあ……丁！」
「んじゃあ！俺は半兵衛様の半！」
半、来い！
取り払った籠の中では、赤い点が仲良く並んでいた。
「丁…」
「うぇ、やったぁあ！」
ぴょんぴょんと跳ねて喜ぶAさん。いや、眼福だけど。目が幸せだけど。
「半！」
「丁」
「丁！」
「半」
連敗だ。折角Aさんと博打ができるって、其れこそ何を賭けるかによっては、俺のAさんへの恋を大いに進展させることだってできたはずなのに。
「ねえ、左近君」
「何すか…」
「これって、何かお願いできるんだよよね？」
「まあ、お願いっていうか。まあ丁半始める前にお互い何賭けたかとか言ってなったっすもんね」
「私ってさあ、女の癖に一侍大将として駆けてさ、なんていうか、世間的にはもう行き遅れってい うか。
　そろそろ、お嫁に出ないと、女としての幸せにありつけ無さそうで」
「…」
「かといって好きじゃない人と、てのも嫌だし。てね、最近考えてたらさ。
　…左近君てさ、賭博するし、ちょっと馬鹿っぽいとこあるし。でも、その分頼もしく感じたときとか、余計かっこよく見えるな、って…」
あれ、これって。
もしかしたらもしかする感じじゃないすか？
「俺、Aさんが好きッス！いままで、ずっとッ」
んふふ、とAさんが笑った
「知ってたよ、ずっと」
「って、えぇええ！？ズルッ」
「ンぅ、でもね、自分よりは偉い人がいいなぁ、なんて」
「俺、出世します！すぐ追い抜いて見せます！」

「其れを言うのはまずは賭を脱してからだ、左近」
「ゲッ、三成様！」
「何、縁組は治部の仕事故な。」
「刑部さんまで！聞いてたんすか！」

　

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