猿飛佐助/きらきら ページ12
目の前で、仲良さげに旦那と話すA。俺様の想い人。
厄介なのは、旦那が初めて喋れるようになった女の子ってことで。
おまけに、一緒にスイーツの話ができる、ただ一人の女友達で。
最初に仲良くなったのは俺様なのに、どうせしゃべれないだろうと思って紹介した旦那の方が今は仲がいい。
あの新しくできた店のモンブランは不味い。でもガトーショコラは中々良い。予約したスイーツバイキングがカップルばっかりで行き辛かった。あそこの生クリームは脂っぽくて重たい。
俺様がそう簡単には入れないような話題が、ポンポンと目の前で飛び交う。
新学期の恒例行事の遠足も、軽井沢に来てまでこんな虚しいなんてなぁ、と。
旦那と話すときにだけ見せる、彼女の笑顔が眩しすぎて、夜の闇を求めて無言で外に出た。
流石に夜、半袖一枚じゃ足りないなぁと、冷たいフェンスに腰掛ける。
都会からじゃ絶対見れないような星が美しい。
がちゃり。
流石学校の経費、別荘地とは思えないほどぼろいコテージの扉は煩い。
「何、如何したの旦那」
「もう春とはいえ夜は冷えよう。」
ぐ、としかめっ面のまま差し出したのは、Aのブランケットだ。
「それ、Aのじゃん。
てかさ、旦那。そんなことは女の子にでもしなよ。
旦那だったらすぐ女の子落ちちゃうぜ?」
Aだって簡単に。其れは言わずにのどに押し込む。
だってまるで、こんなの負け惜しみみたいじゃんか。
「それは、A殿のことか?」
「なに旦那、今日は殊更に畳み掛けてくんね。」
―――よくいえるよ、俺様の気持ち知ってるくせにさ。
「早くくっつけ。A殿も待っておる」
「直球だね。」
あまりにも旦那の目が真剣な色をしているもんだから、そんな軽口も言えなかった。
「俺だって、辛いのだ。」
予想外の言葉に、言葉も出てこなかった。
「・・・は?」
危うくも、旦那が投げてきたブランケットを、かろうじて受け止める。
そのまま、ドアの方を顎でクイと示した旦那に、涙が出そうになった。
早く告白しろ、目がそう言っていた。
ドアノブに手をかける。
「ちょっと、かっこよすぎるんでない?真田の旦那」
旦那は、ムカつくくらい男前な笑顔で、確かに涙を流していた。
=======
「俺様とかどう?」
「へ?」
「スイーツバイキング、カップルばっかで行きづらいんでしょ?
俺様が行ったげるよ、一緒に」
うん、そう言ったAの笑顔は、眩しかった。
石田三成/あとは貴方次第→←松永久秀/貴方の宝に成れるのならば。
70人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
希望(プロフ) - 失礼します!リクエスト、させて下さい!良かったらですが、政宗様のお話をリクエストしたくて…学バサの方でリクエストしてもよろしいですか!!? (2017年6月8日 19時) (レス) id: f217a178dd (このIDを非表示/違反報告)
椿(小石の方)(プロフ) - 舞姫さん» はい!了解です。前の黒丸様と順番がゴチャゴチャになってしまうかもしれないのでご了承下さい。 (2017年4月1日 12時) (レス) id: 2a1e88c7e9 (このIDを非表示/違反報告)
舞姫 - リクエストでーす!えっと……竹中半兵衛様。明智光秀様を、出来たらでいいので、お願いしま~す。 (2017年3月25日 10時) (レス) id: f50ff2d6e1 (このIDを非表示/違反報告)
椿(小石の方)(プロフ) - はい!返信遅くなり申し訳ございません!別々で作らせていただきます。何かあればまた仰ってください (2017年3月23日 0時) (レス) id: 2a1e88c7e9 (このIDを非表示/違反報告)
黒丸 - リク良いでしょうか。弁丸、梵天丸、アニキお願い致します。 (2017年3月19日 22時) (レス) id: 892b25096f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:椿(小石の方) x他1人 | 作成日時:2016年6月27日 18時