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大谷吉継/蝶とミツバチ、あるいはお花 ページ2

むふふ、とAは鼻の下を延ばし笑った。
「やれ、いかがした」
を、くるりと首を回し聞いてくるのは、背中合わせで座っている吉継さん。
政務はもう終わったのかな?
「幸せを噛み締めておるのよ」
わざと吉継さんの口調を真似てみる。
すると、ヒヒッ、と特徴的な笑い声。
「かような不幸な男と居ってか?
 A、ぬしももうわれなど見限り、違う男にでも乗り換えるが良策よ。
 ぬしの見目ならば、さようなこと簡単よ、カンタン」
「いまの、もしかして可愛いって褒めてくれてたり?」
「ヒヒ、アァそうよなあ。
 ぬしには華があろう?
 われとなど到底釣り合わぬ。」
あぁ、もう。この人はまたこう言って。

「知ってますか?
 蝶々はお花の蜜がなきゃあ、生きて行けないんですよ。
 私は、吉継さんのお花になるんです!」
「わからぬぞ?
 蝶に見せかけた蛾やも知れぬ。
 ああ、ぬしと間違うて、違う花に襲われ食われて仕舞うかも知れぬわ。
 もっとも、とうに羽など腐れ落ち、ぬしまでも辿り着けぬであろうがナァ」
「ああ言えばこう言う。舌引っこ抜いちゃいますよ。
 もし羽がないなら、私ミツバチになります。
 毎日新鮮な蜜を運んでくるんです。
 もし間違って食虫植物に襲われても、食べられるときは一緒です。」

ヒヒヒヒヒッ、と吉継さんが笑う。
其れは、いつもの自嘲に満ちた笑い声ではなくて。

「花か、蜂か。どちらかにしやれ。
 われはぬしの手を借りずには生きてゆけないほど不器用な故ナァ。
 一人しか愛でられぬのよ。」
 


(愛らしい花か、
はたまた健気なミツバチか。
どちらにしても、ぬしが隣に居れば、われは不幸などと言ってはおれぬナァ)

竹中半兵衛/恋慕の情ならいざ知らず→←毛利元就/あわよくば



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設定タグ:戦国BASARA , 恋愛 , 小石の方   
作品ジャンル:恋愛
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希望(プロフ) - 失礼します!リクエスト、させて下さい!良かったらですが、政宗様のお話をリクエストしたくて…学バサの方でリクエストしてもよろしいですか!!? (2017年6月8日 19時) (レス) id: f217a178dd (このIDを非表示/違反報告)
椿(小石の方)(プロフ) - 舞姫さん» はい!了解です。前の黒丸様と順番がゴチャゴチャになってしまうかもしれないのでご了承下さい。 (2017年4月1日 12時) (レス) id: 2a1e88c7e9 (このIDを非表示/違反報告)
舞姫 - リクエストでーす!えっと……竹中半兵衛様。明智光秀様を、出来たらでいいので、お願いしま~す。 (2017年3月25日 10時) (レス) id: f50ff2d6e1 (このIDを非表示/違反報告)
椿(小石の方)(プロフ) - はい!返信遅くなり申し訳ございません!別々で作らせていただきます。何かあればまた仰ってください (2017年3月23日 0時) (レス) id: 2a1e88c7e9 (このIDを非表示/違反報告)
黒丸 - リク良いでしょうか。弁丸、梵天丸、アニキお願い致します。 (2017年3月19日 22時) (レス) id: 892b25096f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:椿(小石の方) x他1人 | 作成日時:2016年6月27日 18時

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