笑えない、どつかれた本拠地。【白膠木簓】__extra story

▼comedian.09 ページ15

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ホラー。





［違うんだ！お、おれは何も見ていない！！］




映画館で大音量に流れる声。「きゃー」という悲鳴。前列に座るカップル。
その隣に座る親子組、友達組。




そして、終始真顔の自分とサラサラ。






白「…」






恋愛系にでもなると思ったかおい。生憎、私はホラー映画人並みには見れるんだよ…？


いちばん恐ろしいのは上司だから(社畜)







［ま、まさか…］







考えてご覧。訳わからないまま先輩に呼び出されたら怖いだろ、それと同じだ。







［ほんとに…］







全く、ホラー映画でめちゃくちゃびびる程じゃない。そりゃ多少は怖いがそんなわーきゃー騒ぐ何処ぞの奴等とは違うんだ





［いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ］





『あっ、』

白「……ふっ、」









急な叫びは例外だがな。









『(笑いやがって)』

白「(急な音に弱いん覚えとこ)」

『(すごい笑われてるな)』

白「(えらい睨まれとる)」









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『はー、くそ、埋まりたい』

白「誰にでも怖いモンくらいあるやろ」





あの、小さな私の驚きをきっかけに心拍数が上がったままの私はずっとビビりっぱなしだった。


穴があったら埋まりたい。

ヨコハマの海にでも沈めてもらおうか。

……森で遭難でもいいや。
毒島さんに頼も。







白「隣の子がオモロくて集中できひんかったー」

『煽りですか煽りですか？

ていうか何で簓さん微塵も驚いてないんですか
なんなんですか』








白「やって盧笙と観に来たし。」







は？







白「……あ〜ちょっとトイレ行ってきはりますぅ」









「すぐ戻るわ」とトイレに駆けていく簓さんを唖然と見つめる。


いやふざんけんなよ？観た？え？観たの？だから驚いて無かったんかい簓さん。







彼を待つ為に映画館の受付近くにあるスペースに設置されたベンチに腰掛ける。

飲み切ってしまった、ジュースの入っていたカップには氷がまだ入っていた。









「お嬢さん一人？良ければオレと遊ばん？」

『遊ばん帰れ誰だてめぇ』






新手のナンパは蹴散らしていくスタイルで宜しく。





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