笑えない、どつかれた本拠地。【白膠木簓】__extra story

▽comedian.03 ページ5

ー白膠木sideー






白「無理せんとって」





あまり愚痴を口にしない彼女がここまで潰れるのは初めて見た。


とは言っても、自分がこの子と飲むのは片手で数える程しか無いが……。








『簓さん、違うんですよ
私はただ……海底二万マイルで海月を探したくて』

白「あかんあかん。ほんまにそろそろやめ」








なんや海底でクラゲて。

完全にネジ外れとるやろ、怖いわぁ。そもそも真面な彼女が壊れるのが衝撃映像や









『簓さんは仕事飽きないんですか』



白「楽しいから飽きないねんこの仕事
楽しませるの好きやし」









_____なんかあったんやろな、









白「仕事に不満でもあるん？」








『そういう訳じゃ』と口籠る彼女。


小学生なんか今のこの子……
酒飲ませる時要注意せな








『自由に絵を書きたい』

白「自由とちゃうん？」

『自由だけ、どさ……なんかこう違うんだよ』







机に項垂れて腕に顔を埋めた自称社畜さんは、情緒不安定である。



ほんま大丈夫なんか？







試しに彼女が項垂れるすぐ横を指で軽く叩く。



_____反応なし







白「こんな所で潰れてんとちゃうぞ」






寝んなや…運ぶの大変なんやぞ

重いとかではないが何ぞと大変やし()









白「ったく……世話の焼ける子やな」








雑に横抱きにして、前にも足を踏み入れた寝室へ運んだ。

ほんまにこの子は危機感が無いというか、



阿呆なんやろな(真顔)









_____ドッキリでもしたろかな









人間、好奇心には勝てないもので。ふとした疑問を実行しようと近くにあった毛布を手にする。








白「つまらん反応せんとってな」







爆睡している彼女のベッド脇に腰掛けて、残りの酒をゆっくりと飲み干す。


温くなったそれはアルコールものなのか疑うほどにまずい。飲み直しがしたい









ベッドに眠る彼女に、柄にもなく笑いかけた。






_____ほんま、面白い奴









.







『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！！！』









白「な"、なん"や朝から、うっさいわ…」

『は、なんで……簓さんが』

白「何でやと思う？」








酒の飲みすぎて上手く声が出ない。








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