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雨空 ページ18
財布だけ持ってきたから、
スマホはさっきの場所に置いてきた。
ハァ…。
とにかく歩かなきゃ。
そう思い、歩き出した瞬間
「きゃっ！」
草履の鼻緒が切れて転んでしまった。
「っ痛ぁ…。」
最悪…
もうとっくに花火も終わっている。
早く戻らないと…
草履を脱いで裸足で歩くけど、
親指と人差し指の間から血が出てる。
ジンジン足が痛んで上手く歩けない…
ポタッーー
「嘘でしょ…。」
今日はとことん運が悪いのか、
雨が降ってきた。
本降りになる前に戻らなきゃ、
そう思った途端
ザーーッ
追い討ちをかけるように雨が激しくなる。
このままじゃ戻れないよ…。
「あ…」
そう思っていると、小さな神社を見つけた。
境内に入ると雨宿りできそうな場所がある。
雨が止むまでここで待とう…
地面にしゃがむ。
「ハァ…びしょびしょになっちゃった。」
雨はなかなか止まず、
もう1時間ここでじっとしている。
腕時計をみると時刻は22時25分
花火が終わってから2時間が経とうとしていた。
二宮君たち心配してるよね…
お母さんにも連絡できないし…
ハァ…私今日誕生日なのにな…。
こんなはずじゃなかった。
そう思っていると、
ザッーー
誰かが来た。
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作者名：cherrys | 作成日時：2021年1月7日 2時
