Smilest 7

285 〜Fside 〜 ページ29

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伸ばされたAの手を握ると
とてつもなく熱い。




慌ててリビングの電気をつけ、おでこに触れる





藤「……熱あんじゃん」



私「うん、あっつい」





俺の冷えた手が気持ちいいのか



おでこを触ってる俺の手を自分の頬へと導いて



目を瞑ってる





藤「俺、何回も電話したよね？
なんで出なかった？」





言ってくれたら、速攻帰ってきたのに…



気ぃつかったとかかな





私「……なくなっちゃったの」




藤「ん？携帯？」





頷くA





藤「マジで？」



私「うん。…でもどっかで鳴ってる」





キョロキョロと周りを見渡すけど
それらしい物はなく、



変わりに目に入ったのは、



テーブルに置かれた封の空いてないふたつのカニの弁当






藤「…もしかして、なんも食べてない？」



私「うん。約束したから、一緒に食べるって」



藤「うわ、ごめん…」





勝手に色んな誤解してて、俺がっつり
食べてきちゃったじゃん…





私「あ、ご飯食べてきた？
大丈夫だよ、お弁当冷蔵庫に入れといたから」



藤「……え？」





お弁当、冷蔵庫にいれた？



…ここにふたつ並んでるけど？





藤「これは、なに？」



私「どれ？」





テーブルを指さすと





私「…あれ？」



って、首を傾げてる





藤「いれたつもりだった？笑」



私「うん。」





よっぽど、具合が悪かったんだろう…





藤「A。寝るならベットで寝なきゃ」





頭を撫でると、嬉しそうに笑うA





藤「薬は？飲んだ？」





……あ、固まった、笑





私「あ、とで、飲もっかな……って…」





さっきまで嬉しそうにしてたくせに
目も合わせなくなる




ほんと薬嫌いだよね、



目泳いでるし、笑





隠しきれないとこが、ほんと可愛い





藤「はい、だめー、笑」



私「うーー」



藤「睨まない、笑」



私「……」



藤「持ってくるから待ってて」





って立ち上がると、服の裾を掴んでる





藤「……こら、離せ、笑」





ぶんぶん首を振ってる





藤「……、笑」





どうすっかな……





藤「ちゅーする？笑」



私「しない。…苦いから」





……やっぱ、バレてるし





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