君の嘘、僕の嘘 (ページ30)

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藤「全然似てない、俺も会った事
あるけど。」

私「……じゃじゃじゃ、なんで？」

藤「じゃじゃじゃ(笑)
あのね、見た目とか、そういう事
じゃなくて、あの時想ってた気持ち
っていうのかな。
人を好きになる気持ちを思い出したん
だと思う」

私「……」

それは、いい事だよね？

酔った頭を、フル回転させる

「好きってよくわかんない」って
言ってたのが、わかるようになった
って事だよね？

それなら、

付き合ってるのは、柚葉だから

あれ？

やっぱり、樹さんを越えられるのは

私じゃなくて、柚葉って事だよね？

藤「はは、難しい顔してるね」

私「……むじゅかしいです」

藤「Aちゃんは、玉が好きだよね？」

私「………………はい」

藤「なら、そのまま好きでいて」

私「だめなんです」

横「ゆじゅはさんが、友達だから？」

……

宮「横尾さん、急に口挟んで、
噛まないでよ(笑)」

藤「ほんとに、笑
今、大事なとこだったんだけど
ごめんねAちゃん」

私「いえ、私も噛みまくってるんで」

横「お揃いだね」

私「そうですね(笑)」

藤「話変わっちゃったじゃん、笑
はい、戻すよ。
柚葉さんには、悪いけど、
すぐ別れると思う」

私「……」

藤「ずっと、そうだったんだ、
付き合っても、玉が好きにならないから
相手から離れてく、それの繰り返し」

私「でも、思いだしたんなら、
柚葉とうまくいくって事ですよね」

藤「いや、それはないな。」

私「……ない？」

藤「ない」

結局、

諦めないで、玉ちゃんを好きでいて
やってほしいと

柚葉が離れてくのを待って、

玉ちゃんの本当の気持ちを気づかせて
やって欲しいと

そうお願いされた

……

家までの帰り道

送ってくって言ってくれたけど、
無理くり断って、

ひとりで歩きながら考える

柚葉が離れるのを待つ……か、

それが、私には最善の事だよね、きっと。

柚葉の気持ちが玉ちゃんから
なくなれば

私が玉ちゃんを好きになっても
いいよね、

だったら、

わたしは、嘘をつこう

今だけ

自分の気持ちに嘘をつこう