君の嘘、僕の嘘 (ページ31)

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私「コンビニ寄ってこ！」

自分勝手な決心に、気分が軽くなった
気がして、テンションがあがった

やっぱデザートだよね
と思って寄ったいつものコンビニ

……ないじゃん

お目当ての限定スイーツ

「そんなわかりやすく、落ち込むなよ(笑)」

真後ろで声がして、ばっと振り向くと

……まさかの玉ちゃん

私「ひぇ……」

玉「しーっ！」

口に指を当てて、うるさいって
注意される

私「あ、ごめんなさい……」

いや、だってさ、

さっき頭の中で、考えてた人が突然いたら

びびるでしょ

玉「ふふっ、帰るよ？」

なに？

わたしに言ってんの？

玉「何その顔、帰んないの？」

私「おひとりで、どうぞ……」

だって、まだ買い物してないし、

それに、だめなんだって……

一緒にいたら、

せっかく蓋をした気持ちが

解き放されちゃう気がするから

玉「は？」

私「まだ買い物あるから」

玉「これじゃなくて？」

ビニール袋を持ち上げて
見せられる

私「あ！」

私が求めてたやつ！

でも

私「……今日は違います」

玉「ふーん、じゃ、外で待ってる」

なんでよ……

結局、一緒に帰るんじゃん

買い物をして、店の外に出ると
ほんとに待っててくれてる

私「……お待たせしました」

玉「うん、いこ」

つかめない

ほんとにこの人、つかめない

前を歩く、玉ちゃんの後ろ姿を
眺めながら、

一定の距離を保って歩く

決して隣りを歩く事なんてない

この距離が

まるで、私達の関係を表してる

そんな事を考えながら、歩いてたら、

あっという間に、玉ちゃんのマンション

私「あ、じゃあ……」

普通に入ろうとするから、
挨拶しなきゃと声をかけると

振り返る玉ちゃん

玉「きてよ」

私「え、なんで？」

玉「なんでも」

……断れない

だって、好きだから。

言えないけど、好きなんだもん

断れるはずがない

エレベーターにのって、

私の前に立ってる玉ちゃんを
ぼーっと見つめる

さっき、歩いてた時よりも
近づいたななんて思いながら