9*宣告 ページ11
[SIDE:A.T]
次の日の朝。
悲しい真実を聞くことになった。
「アーヤ、
一昨日はごめんなさいね。
今日はその事でお話があるの。」
嘘に決まってる。
『ごめん』なんて気持ち、これっぽっちもないくせに。
「なに。」
するとママは笑った。
「今日で秀明は終わりよ。
よく頑張ったわ。
塾、何年間行ったかしら。」
普通は問いただすだろう。
ママを責めるだろう。
でも、
そんな元気も、そんな感情も。
全て消え去っていた。
この悲しい宣告をもう、真に受けるしかないのだから。
「ねぇ、ママ。」
私は、笑った。
「私、こんな家に生まれたくなかった。」
もう正直だった。
我慢もなにもしたくなかった。
全て言ってやった。
「そうかもね。
ママも産みたくなかったわ。
あんたみたいな子。
でも彩、良かったわね。
養子にあなたはなれるんだから。」
ママは腕を組んでリビングに入っていった。
全部、承知だ。
養子に出してもらっても、もう構わない。
この家から離れられるなら。
悲しくもないはずなのに
『ポト…ポト』
涙が流れるのはどうしてなの…?
涙が止まらないのは、どうしてなの?
私は下を向いた。
67人がお気に入り
「探偵チームKZ事件ノート」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みやび@KZ部屋(プロフ) - すみません、1話の、「普通の償い」は、「普通の報い」だと思います (2019年1月4日 18時) (レス) id: fee431c3c3 (このIDを非表示/違反報告)
瑠美華 - はじめまして!ものすごく面白いです!続きが気になります! (2016年8月26日 13時) (レス) id: eae0f998fc (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 美蘭さん» ありがとうございます!今作り中です!(笑) (2016年8月22日 11時) (レス) id: 8d965916f6 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - La merさん» ありがとうございます!第二章をよろしくお願いします (2016年8月22日 11時) (レス) id: 8d965916f6 (このIDを非表示/違反報告)
美蘭(プロフ) - 雫さん» 雫さん!一章完結おめでとうございます!続編!楽しみに待ってます! (2016年8月21日 20時) (レス) id: a378f75823 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ