抱えた闇は知っている Ｆirst,Story

10＊早過ぎる最後 ページ12

［SIDE:A.T］


養子宣告から2日後、

私の気持ちはなんだか重かった。

でも、私は密かに準備をしていた。

心の準備を。

覚悟しておかないと、

用意しておかないと

心が持ちそうにないから。

準備を固めていたその日、

2つ目の衝撃を知った。

『ピーンポーン』

画面には、宅急便の人が。

『今でます。』

そう答え、印鑑を探しにいくため、

リビングの棚を開けた。

棚の中は、前よりも汚く、

紙でいっぱいだった。

お兄ちゃんの事件で家族は狂い、

グチャグチャになってしまった。

棚の中身もグチャグチャになってから、

同じだと思った。

印鑑を持ち、玄関へ走り、印を押して部屋に戻った。

印鑑を戻そうと、また棚を開けると

気になる紙が入っていた。

「養子縁組実行日？」

思わず口にしてしまった時には、

もう意味がわかってた。

私が、

この家族ではなくなる日だ。

◯月×日、実行日、

え…？？

明日？

明日、養子縁組実行日？

ふざけてるよ！

もしかして、kzともお別れ？

イヤだ。

イヤだ。

私にとっては、あまりにも残酷で、

あまりにも早過ぎる別れだった。

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