六 ページ7
昔、ある男がいた。
男は剣が滅法強くて、剣で飯を食ってた。
その男はさるお屋敷に仕える身だった。
その家には兄、妹、弟と、男とそう大して年の変わらねぇ兄妹がいたのさ。
男は将来を見込まれて幼い頃からその家で可愛がられてたんだ。
その兄弟とも共に学んで共に遊んだこともある。
その男が青年になった頃、そこの旦那がポックリ逝っちまってな。
次の日の夜、男は兄の方に呼び出された。
「弟が親父の跡目を継ぐ為に俺を殺そうとしている、殺される前に殺してくれ」ってな。
更にその翌日、男は弟からも呼び出された。
「兄貴が俺を殺そうとしてる、死にたくない、兄貴を殺してくれ」ってな。
「うわぁ、嫌な兄弟。で、その男はどっちを選んだの？」
酷く悩んだ、兄弟のように育ってきた主家の子供達が互いを殺し合おうとしていることに。
自分の剣の腕は主家を、この兄弟達を守る為に磨いてきたはずだ。
なのにその剣で兄弟同士で殺し合おうてんだからね。
どちらかに与すればどちらかを殺さなきゃならねぇ。
だが、兄弟同然に育ったとはいえ相手は主家の人間。
その命令を無下に断るわけにはいかねぇ。
「なら、おめぇさんがその状況になったらどうする？」
「え？」
話の途中で飛び出してきた問いに沖田は困惑した。
そんな様子を見ながら老人はまた口を開く。
「なあ、おめぇさん、どっかに仕えてんだったろ。いつまでも油売ってたらまずいんじゃねえのかい？」
「あ、やばっ。」
いつのまにか随分時間が経ってしまっていた。
屯所に帰れば煩いのが腕組みしながら待ち構えてるだろう。
「もし続きが知りてぇんならさっきの答えを考えておいで。また今度、教えてやろう。」
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朧 龍 - 赤眼鏡さん» コメントありがとうございます。流石に100以上を毎日なんてしませんよｗまた楽しんでいただけるよう頑張りますね♪ (2019年1月27日 20時) (
レス) id: 345339f75a (このIDを非表示/違反報告)
赤眼鏡 - ちょっと戸惑いを隠せないでいました(笑) では、名残惜しいんですけど、これ以上書いていたら保存コメントからも消えるので止めにします。(私の初めのコメントは消えても◎です)では。 赤眼鏡より (2019年1月27日 9時) (レス) id: abb9993cbd (このIDを非表示/違反報告)
赤眼鏡 - 『雨月物語』、wikiでチラッと見てきました。(最初タイトルだけ見たとき、「よし、今度本屋行こう」とか考えて…wiki見たら無理じゃんって…)ずーっと下へ下へ見ていくと、「か、漢文！？」って…。 (2019年1月27日 9時) (レス) id: abb9993cbd (このIDを非表示/違反報告)
赤眼鏡 - 嬉しかったんです。何か書いている途中で、「ファンレターっぽい…」と思っていたものに、返信がきてもう…！って(笑) 〜割愛〜 (2019年1月27日 9時) (レス) id: abb9993cbd (このIDを非表示/違反報告)
赤眼鏡 - 私も昔こんな事してたけど〜…！と勘ぐっちゃいました。)「長文コメントは俺にとってはご褒美です」。このコメントを深夜に見て、引き笑いみたいなのをしてしまいました(笑) (2019年1月27日 9時) (レス) id: abb9993cbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朧 龍 | 作成日時：2017年10月23日 1時
